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上海自由貿易試験区、香港各界はプラス思考
2013年 9月 30日10:07 / 提供:中国国際放送局

 国務院による上海自由貿易試験区の設置の批准を受け、香港各界で熱い議論が沸き起こりました。香港特別行政区の梁振英長官はこのほど、「上海自由貿易試験区の設置は大勢の赴く方向だ。香港は、一丸となり、正面から積極的な態度で新しいチャンスを掴まなければならない。二度と時機を逃してはならない」と呼びかけた。

 自由貿易試験区は、金融の自由度が高まり、人民元建て資本勘定の自由化及び金利の市場化が先行試行されるため、香港のオフショア人民元センターとしての地位に影響を与えると懸念する声がある。これに対して、4大国際会計事務所の一つであるKPMG社で金融サービスを主管している黄宝珊氏は、「自由貿易試験区の設置により、上海は今後銀行業にとって絶対的な優位性を有することになる。しかし、香港の人民元預貸業務も引き続き良好な伸びが続くと信じている」としている。

 一方、国務院の発表したマスタープランによれば、自由貿易試験区での金融開放措置には、外資金融機構による外資銀行や医療保険機関の設置、条件の整った外資民間資本との合弁銀行の設置なども含まれている。これを受けて、上海香港銀行(中国)工商金融サービス部の何舜華総監は、「外資銀行は、海外進出に向かう企業からビジネスチャンスを見出す優位性がある」との見方を示している。

 また、香港最大の独立系銀行「東亜銀行」の責任者は「自由貿易試験区では預貸金利の完全自由化が認められており、香港系銀行のビジネス開拓にとって有利だ」と語っている。

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