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日中間、ハイレベルの相互理解を=高井潔司氏
2013年 3月 26日11:45 / 提供:
中日問題研究者と歓談する高井潔司氏(右)

  第5回世界中国学フォーラムが24日、上海で閉幕した。フォーラムのテーマは「中国の現代化:道と前景」だ。世界20以上の国と地域から240人の専門家と学者が参加し、国際化の背景における中国の発展と世界との付き合い方を共に検討した。

  開幕式では、中国国務院報道弁公室の銭小セン(草かんむりに斤)副主任が「中国は世界最大の発展途上国であり、自らの状況に立脚しなければならない。中国は中国の特色ある社会主義の道を歩みながら、改革開放を堅持している」と挨拶した。  

 同フォーラムに出席した桜美林大学教授である高井潔司氏が本ネットの記者に対し、「中国全国人民代表大会が開催され、文字通り、習近平―李克強体制がスタートしました。早急に日中間のハイレベルの首脳会談の実現が望まれる」と語った。

 高井氏はまた、全人代報道をめぐり、「日本の記者は完全に内向き。日本の立場に立ってしまって、“中国が強硬”を前提に議論してますね。これに対して、中国の方は、今回の尖閣(中国名、釣魚島)問題は石原発言や国有化など日本から引き起こしたと考えている。だから全人代の記者会見で“中国がさらに強硬になるのか”という質問に、中国の記者が笑ったわけです。つまり報道官は“そう考えているのは日本の記者だけですよ”と注意しているわけです」と国際報道の問題点として、低レベルの相互理解や相手国イメージのステレオタイプ化などを指摘した。

 高井氏はさらに、「どっちが強硬かなどと水掛け論をしてみても、徒労に終わります。記者自身が中国の記者会見で“釣魚島”という中国の表現を使ってはいけないなどというプレッシャーを掛け合っている。その現象自体、日本国内の強硬な空気を反映しています」と分析した。

 高井氏はこれまで、『上海−蘇る自由都市』(読売新聞社)、『上海、長江経済圏Q&A100』(共著、亜紀書房)、『中国の時代』(共著、三田出版会)、『中国情報の読み方』(蒼蒼社)など著書多数。

(章坤良 写真も)

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