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労務法律実務の最新動向(1)=上海開澤
2012年 5月 23日11:08 / 提供:

 中国労働契約法の実施に伴い、政府、企業、従業員間の各自思惑による利権争奪争いは止まることを知らない。この間、中国経済にも変化が生じ、経済的状況と深く関係のある民生、労務問題も混乱した状態が続いている。また、政府が労務に関する法律を制定、改正する際には、社会の安定、既得利益の維持、社会矛盾の緩和が基本原則となっているが、本期では、労務法律実務の最新動向を概括する。 

1.   労働契約改正が年内に完了

200811に労働契約法が実施されて以来、労働仲裁/訴訟の数は急激に上昇し、同法は事実上、仲裁/訴訟という法的手段を通じた労使紛争を引き起こす動因となっている。政府はこの点をすでに意識しているものの、労働契約法は法律であり、発効5年に満たない段階で大規模な改正を行うことはできず、殊のほか、企業の強制義務を軽減することは不可能である。

本改正では、「労務派遣」をめぐる問題についてのみ行っており、改正の要点を確認した範囲では外資企業には実質的影響はない。

1)     労務派遣に適用する職務をさらに限定

労働契約法第66条で規定する「労働派遣は通常、臨時的、補助的又は代替的な職務に適用する」のうち、職務について解釈を行い、また限定した。

n  臨時的:雇用される勤務期間が6ヶ月を超えない。

n  補助的:その職位が主要業務でない。

n  代替的:一定期間に派遣労働者が代替可能な業務。

2)     労務派遣会社への行政処罰を強化

違法行為のある労務派遣会社への行政処罰基準が、一人当たり1000元〜5000元であったものが、2000元〜10000元まで切り上げられた。

派遣労働者を違法に使用した雇用者への処罰の切り上げについては現在議論中である。

     外資企業の多くが派遣会社を通じて労働者を雇用しているが、外資企業における派遣社員の待遇はその他従業員に比べて劣ることはなく、これは、中国における独占業界の企業でよく見られる派遣社員への不公平な待遇、労務派遣を利用した労働者の合法的権益を侵害する状況とは異なる。従って、立法者は、外資企業の労務派遣雇用方法の現状を見据えるべきであり、また外資企業としても、現時点では労働契約法の労務派遣問題改正内容を過度に懸念する必要はないと考える。

     現在まで、各地政府は現地の労働契約法実施細則を公布したことはない。今後、労働契約法が完備、改正されたときに司法解釈を通じて公布されると思われる。

 

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