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税務監査項目の中、外資企業として注意すべき要点=上海開澤
2012年 4月 26日17:18 / 提供:

 一昨年は各地で賃金紛争が多発しましたが、当事者も学習効果もあり比較的穏便に推移しており、何よりと感じております。

 労働紛争を事務所もかなり取り扱っていますが、ふと日本でも労働紛争を多数経験した事を思いだします。ただ、当時の日本での労働紛争と現在の中国での労働紛争は性格がかなり違うと感じています。日本でも当然賃金に絡む紛争がありましたが、思想・信条・出自、性差に起因し「差別的取扱い」「不当配置転換」「不当解雇」を絡めた紛争であったので、現在の中国とはかなり状況が異なると思います。中国の場合、正に「金銭」主体と生活に直結する感じです。日本での労働紛争の場合「地方労働委員会」「中央労働委員会」で解決できない場合、裁判となり「仮処分」「本訴」となり長期化することも稀ではありありません。そして長い場合、20年以上となると「仮に20歳代」で紛争の当事者となると40歳以上となり、最終的に和解することになったとしても大事な青春期間をこれに費やすことになり、何か虚しさが漂います。中国における労働紛争は現在のところ1,2年でほぼ勝ち負けは別として終了するので気分的には楽な感じがいたします。

 今期は注目を集めています税金問題を取り上げましたのでご参照下さい。

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 中国の税務法律が完備されるに伴い、税務面での法執行度も強化されつつあり、国家税務総局は毎年、実際の情況に基づき当年度の税務監査政策を制定するが、それらの中で外資企業も監査重点対象のひとつとなっている。これについて、外資企業としても自身の利益維持という点から、重要視しないわけにはいかない。
 本稿では、2012年の税務監査項目のうち、外資企業が注意すべき要点について分析し、多くの企業様に参考として頂きたいと思っています。

1. 持分譲渡の登記手続きは納税義務発生の判断基準のひとつ
税務という点では、持分譲渡収入の査定は工商登記変更手続き完了時期で決まる。つまり、譲受人が実際には対価を支払っていないとしても、工商登記変更手続き完了をもって、当該持分の譲渡が有効となり、当年度内に税金を納めなければならない。
2. 非居住者企業二社間の中国国内居住者企業の持分譲渡に関する所得税納付が注目
非居住者企業が中国内企業の持分を譲渡するとき、中国で10%の源泉所得税を納めなければならない。居住者企業は納税証明書を得た後で対外送金手続きを行うことができるため、当該源泉所得税は通常、適時納付する必要がある。しかし、非居住者企業二社間の中国内企業の持分譲渡は、税務法という観点では、中国内で納税するべきであるが、取引双方が海外であるため、納税義務を履行しないことが多く、国としては税収が流失することになる。このため、税務局はこの種の持分譲渡取引への監査を強化し、税金の追納を要求する。
3. 外資生産型企業の「両免三減半」税収優遇への監査強化
同問題について、税務局は外資生産型企業の持分変更により注意を払い、そのうち外資比例が登録資本の25%を超えていないか否かを監査し、25%未満或いは内資企業に変更済みの場合は、過去年度の「三免三減半」の税収優遇政策を享受しているか否かを審査し、且つ実際の情況に基づき、優遇措置分を回収する。
4. 金融業界の非居住者企業への監査強化
これは今後一定時期における重点となる。非居住者企業の特徴から重点的に監査される企業は少ないものの、税金額は巨額であり、特に持分取引の税収問題は更に監査の重点となる。
5. 輸出税還付を受ける外資企業が監査の重点に
「ダヴィンチ家具税金還付詐欺事件」が暴露されたことで、税務局は輸出税還付を受ける外資企業への監査を強化している。監査の重点は、真実の製品原産地/輸出地/輸入地である。特に保税物流園区を利用して形式上で「輸出」を行い、その後再び「輸入」するという行為に対して、税務監督管理の角度から規制を行う。
6. 輸出入業務での特定製品への監査強化
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体積が小さい、中国内で加工しやすい、輸出入量が多いなどの理由で、以下の製品は輸出入業務において輸出税還付詐欺の対象となりやすく、税務局は特に注意を払っている。
1) 各種電池
2) 電気回路パネル
3) CPU
4) 集積回路の部品
5) ブルートゥースのヘッドホン
 税務局の上述製品への監査は税関の密輸監査と共同実施されることが多いため、注意が必要である。
 当所の経験では、各地の税務局は税務総局の要求に基づき、現地の実情に照らし、現地外資企業に対して、1−2項の専門監査項目を設定し、検査、面談を通じて監査を実施する。従って、地元の税務局の監査原則を把握することが非常に大事なことである。
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