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日本の中小企業向け、時代の先を読む=Mr.ハイテク 『新年展望』(4)
2011年 12月 25日14:10 / 提供:

 日本の中小企業の中国進出が急増してきた。これまでの大企業への追従は数年前から一巡し、最近では、国内市場減少化の不安を抱き、アジアの市場へ進出への布石、更には第三国への輸出拠点として、その円高傾向は収益が大幅に圧迫されている中小企業も少なくない。このような円高に対応する意味でも国内の中小企業は非製造業、製造業を問わず中国への進出を真剣に考え始めてきた。追い打ちをかけるように国内では電力不足問題も生じ、中小企業が生き残るためには何が必要か ? 

 この答えが見え始めてきた。すなわち、国内よりも安い給与とコスト削減を求めて日本の中小企業は海外進出を加速している。中小企業は大企業に比べ非常に少ない資金面、人材など、経営力が小さいためにこれまでは躊躇する企業が多かったが、ここにきて中国の沿岸部の都市、(上海市、紹興市・・・)台湾では日本企業誘致の優遇対策を次々に打ち出してきている。これによって、これまでになく日本の中小企業間で中国進出に拍車がかかってきて、新たな展開も見られるようだ。これからの経営者は中国側の優遇対策情報を早くキャッチし、新たな企業戦略を考えておき、中国進出ができる体制も必要です。

 たとえば、製造に関しては自信があるが、「財務のことはからっきし分からない」という中小企業経営者の方のために、紹興市では財務、経営、人事のプロを用意している。また、R&D費用や資金も貸し付けている。進出後、社長一人が年1〜3回、時々見回りに中国に来ればよいのである。

 さて、国内には、2010年6月に策定された政府の「新成長戦略」の中に「海外展開支援のパッケージ創設」があり、具体的なその動きも出てきている。このように、これからの経営者は日中両国の優遇措置情報をしっかりと収集して、把握しながら、経営しなければならない。さて、中国では多くの市で、特に日本のハイテック中小企業を求めている。実際には、どの市でも日本の中小企業を出来るだけ一か所に集積して誘致する傾向になってきている。

 これによって1社だけでは進出が不安な企業でも、当社のような中国進出のコンサル企業が中心となってグループを組織して日本企業の中国進出のハードルを下げることができる。

 さて、日本には世界トップクラスの技術を持っている企業がたくさんあり、今後、優秀な省エネ・環境・ロボットなどの技術を持つハイテック企業が中国に拠点、工場、事務所を持てば、アジアの商圏で大きなビジネス・チャンスにも手が届き、自社の新たな事業展開が図れることだろう。

 せっかく、中国進出してもどこからスタートして、自社製品の販路を作り出してよいかわからない企業も多い。上海市では、2012年3月27日から省エネをテーマとした世界最大級の建築博覧会が開催される。この博覧会には30万人の来場者のほか、1万人を超えるバイヤー、5000社を超えるデベロッパーが訪れる予定。この種の展示会は中国の主要都市では頻繁に行われ、これらに参加してみたり、日系コンサルタント企業を利用してみるのが近道でもある。

 上海ARIグループでは中小企業の中でもハイテック技術を持つ日本の中小企業を中心に「中国進出サポート」をおこなっている。そのリーダーは通称、Mr.ハイテック(旗沢 透氏)。彼は日本のハイテック時代の先駆け頃、アメリカに進出して、シリコンバレーで自社工場を経営してきている。現在、上海ARIグループでは上海市、紹興市、その他の市と協力しあってこれから入居するハイテック関連の日系企業だけを集積して、更にはこの従業員のために、日本食レストラン、日本食のスーパー店、公園(桜並木通り)などのエリアで日本人が住みやすい環境造りを検討している。   

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