Home > ニュース > 上海  > 来年、上海経済圏まで1時間となる紹興市
来年、上海経済圏まで1時間となる紹興市
2011年 11月 28日10:38 / 提供:
世界でもよく知られる魯迅の故郷である紹興市

 「熱い」、「熱い!」・・・

 上海艾麗投資管理諮問有限公司顧問の畑沢徹(中国名:旗澤透)氏(66)が、初めて中国の文豪、世界でもよく知られる魯迅の故郷である紹興市に到着すると、「平日なのに、紹興市にある五つ星のホテルが満員で、魯迅の故居あたり、まして町全体に“熱さ”を肌で感じた」と話す。

 「熱い」のは、それだけでない。紹興市内を車で40分離れた開発区、濱海経済開発区でも「熱い」。同経済開発区は杭州湾の南岸に位置しており、上海、杭州、寧波といった経済都市へのアクセスの中心的位置にある。開発の核となる江濱区は、総面積約142 平方キロ、嘉紹跨江大橋の南岸、嘉興―紹興高速道路の西に位置している。紹興濱海新城は紹興を大きく発展させ、上海との経済的な結びつきを深め、経済社会全体を発展させていく上での重要な地区である。

DSCF0085.JPG

ブランド品となった魯迅の作品に描かれた飲み屋 

 また同経済開発区は長江デルタ産業の拠点を目指しており、浙江省の現代産業発展モデル地区であるとともに、杭州湾南岸の重要物流拠点として住みやすい新しい都市である。その内、23kuでは11通1平のインフラ施設が整備され、全面的開発が急ピッチで進んでいる。

IMG_0460.JPG 

ホットな土地となる経済開発区

 紹興市招商局の張偉東局長補佐は、「省エネ・環境保護産業を推進し、汚染のある産業に対しは、いくら規模が大きくても、受け入れがたい」と表明した。

IMG_0531.JPG

経済技術開発区の模型

 濱海経済開発区のほか、国家級の袍江経済技術開発区も着実に進んでいる。同開発区は11年前の7月に「経済都市、文化都市、観光大都市」の発展戦略を早く実施するため、袍江工業区を設立した。 工業区の建設目標としては、ニューハイテク産業を中心とする新しい工業都市とし、紹興市三大工業地域の一つにすること。総支配面積は100平方キロ、紹興経済発展と都市建設の計画に応じて、2020年までに建設面積66平方キロ、人口25万人という浙江省開発面積最大の工業区の一つにする計画だ。

DSCF0076.JPG 

2500年の歴史を有する大禹陵内 

 同開発区はニューハイテクプロジェクト、外資プロジェクト、工業プロジェクトを重点的に誘致する方針だ。工業区内には外国投資地区、生物医薬と精密化学工業地区、ニューハイテク産業地区、伝統産業進展地区などの四つの産業地区と都市化に応じるための商業貿易地区が計画されている。工業区は生物医薬産業、IT産業、精密化学産業、機電一体化産業、新素材と環境保護などのハイテク産業を重点的に発展させる予定だ。

IMG_0554.JPG

投資状況を紹介する朱海紅局長(右)

  袍江経済技術開発区投資合作局の朱海紅局長は、「2012 年中に、杭州湾を横断する『嘉紹跨江大橋』が完成し、上海への高速鉄道も完成する予定。それにより上海までの距離は150キロに短縮され、上海経済圏まで1 時間となる」と、さらなる発展と上海と繋がる重要な地域となるよう期待している。

DSCF0078.JPG

会稽山あたりで

 中日関係の話題に触れると、朱局長は、「紹興市に進出する日系企業はこれまで251社あり、今後、日本の省エネ・環境保護産業がさらに進出するだろう」と見ており、「魯迅先生は青年時代、日本の仙台市で勉強していたが、今年の大地震で仙台市は大きな被害を受けた。仙台市と東日本は速く被害から脱出して欲しい」と祈願していた。

DSCF0083.JPG

魯迅故居を訪ねる人々

  紹興市は長江デルタ地帯の南部、浙江省中北地域の中心部に位置し、西は省都の杭州市、東は寧波市、北は杭州湾に隣接している。総面積は8256 平方キロ、総人口は491 万人と日本の比較的大きな県に相当する(市街部面積は362 平方キロ、人口は65 万人)。気候は亜熱帯に属し、四季もはっきりしており、年間平均気温は16.3℃である。2500 年の歴史を有する古都としても著名であり、『古越』『会稽山』『越州』の地名として歴史上に何度も登場している。また、多くの賢人輩出の郷としても知られており、古くは王義之、近代では魯迅、現代では周恩来などを輩出している。また紹興酒の発祥地でもあり、中国人のみならず広く海外にも知られた都市である。昔から、紹興市は水の故郷、橋の故郷、酒の故郷、書道の故郷、劇曲の故郷、名人の故郷といった美称を持つ。

(章坤良 写真も)

関連記事