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復旦大学ポストドクターが、同門を盗作で訴訟 
2009年 10月 19日15:12 / 提供:

 中国の有名大学である復旦大学でこのほど、同門の2人のポストドクター研究生と指導教師に関わる学術盗作事件が発覚した。現在、復旦大学の学術規範機構が調査している。

 このため、同事件の当事者の1人が学校側の調査を受けると同時に、同門の盗作者を裁判所に告訴した。今年9月21日、上海市楊浦区人民裁判所は正式にこの事件を受理した。13日に各当事者を集めて話をしたのである。

 原告代理人の弁護士によると、同事件の第1被告である許燕氏(現在、復旦大学マスコミ学院の副教授)と原告の韓元氏(現在は上海の高校教師)が、2003年に同時に復旦大学マスコミ学院のポストドクターになり、李良栄教授の門下生であった。

 今年5月に、原告側は李良栄氏が書いた本「歴史の選択」(武漢大学出版社2009年1月出版)の中で、許氏が書いた「30年中国のマスコミ文体の変遷」という文章は、韓氏が2006年6月に完成した報告「新しい時期の新聞マスコミ文体の発展研究」のある部分を盗作していることを発見した。しかも、盗作した文章の中には、参考文献などの説明も入っていない。許氏と何度も接触しても無駄なため、原告側が裁判所に告訴した。

 盗作された内容は、原告が考えた新しい理論で、原告は復旦大学マスコミ学院のポストドクターとしての研究成果の結晶であると、弁護士が話している。第1被告が、第2被告を通じ、原告より早く原告の研究成果を発表したことは、原告に経済的な損害をもたらしただけでなく、原告の今後の学術の道にもさまざまな問題をもたらすことがありうる。こうした行為は、「中華人民共和国著作権法」規定の盗作行為に等しく、合理的な使用範囲に属しないと思われるため、第1被告の行は、原告の著作人身権と著作財産権を損害したとしている。

 盗作に関わる著作「歴史の選択」の内容から見ると、この本は李氏が編集した「マスコミ改革30年研究本系」の中の一本ということが明らかである。しかも、この一連の武漢大学の成果の一つとして、資金補助を受けていることから、出版社の武漢大学出版社が第2被告として告訴された。

 復旦大学の学術規範委員会は14日、マスコミ学院学術委員会が提起した盗作者の処分を決定し、学校の指導部と関連部門に提出した。復旦大学が、いつ正式に社会に向け発表するかが注目されている。

 原告は、第1被告と何度も交渉して失敗したという情況で、法律の武器を通じて自分の合法利益と学術尊厳を守ろうと思った。これは最近の学術分野にある反学術盗作の行為に、新しく、一番有効な道を提供した。

 第2被告の武漢大学出版社が裁判所に裁判延期の申込書を提出したので、裁判所は他日を決めて審理を行うことにした。

(編集:尹如奕)