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BRICSの1千億米ドル規模外貨準備基金の意義
2014年 7月 20日11:10 / 提供:新華網日本語

 中国人民銀行(中央銀行)の報道官は17日、BRICS諸国が緊急時に資金を融通し合う外貨準備基金に関する質問に対して、「これは予防目的の措置だ。各国は直ちに資金を支払う必要はなく、出資を承諾するだけで、直接的な外貨準備の移転は行われない。実際の需要がある加盟国が融通を申請し、一定条件を満たした場合のみ、資金が支払われることになる」と説明した。18日付中国証券報が伝えた。

 BRICS首脳は7月15日、フォルタレザで開かれた第6回首脳会議で、BRICS開発銀行と外貨準備基金の設立に関する文書に調印した。上述した報道官は、「BRICS諸国は出資額について、各国の発展段階、GDP、外貨準備高などの基本的な国情に基づき、協議を経て決められたものだ」と述べた。BRICS諸国の同基金の投票権は、中国が39.95%、ブラジル、ロシア、インドがそれぞれ18.10%、南アフリカが5.75%を握るという。

 同報道官は、「中国が融通を依頼する可能性は低いが、この枠組みに加わるのはなぜか」という質問に対して、「中国経済と世界経済は高度に融合している。世界金融市場に大きな変動が生じるなどした場合、中国だけが影響を免れることはできない。新興市場経済体の金融安定化の実現は、中国の利益、そして世界の利益に合致する」と回答した。

 BRICS開発銀行と外貨準備基金はそれぞれ独立しており、主旨?規模?運営?メカニズムなど、5つの異なる点がある。

 まず、BRICS開発銀行は融資の長期的な発展を着眼点としており、BRICS諸国、その他の新興市場および開発途上国のインフラ整備と持続可能な発展に資金援助を提供する。外貨準備基金は金融安定を着眼点としており、加盟国が国際収支の圧力を受けた場合、短期的に流動性の支援を提供する。

 次に、BRICS開発銀行の初期資本は500億ドルで、BRICS諸国が平等に負担する。外貨準備基金は1000億ドル規模で、中国が410億ドル、ブラジル、ロシア、インドが180億ドルずつ、南アフリカが50億ドル出資する。

 それから、BRICS開発銀行の設立後、各加盟国は一定比率の資本を支払い、運営を維持することになる。外貨準備基金は出資の承諾のみで、関連国が融通を申請し一定条件を満たした場合のみ、資金が支払われることになる。

 また、BRICS開発銀行の加盟国は株主の権利と投票権を平等に分配される。銀行内には、理事会、役員会、管理層などが設置される。外貨準備基金の構造には理事会と常務委員会が含まれ、加盟国の投票権は出資額によって決まる。5%の基本投票権をBRICS5カ国に平等に分配し、残りの95%の投票権は承諾した出資額の比率によって決まる。中国が承諾した出資額が最多であるため、最高の投票権を持つ。

 最後に、BRICS開発銀行はインフラなどの投融資事業を中心とするが、外貨準備基金は多国間スワップを基礎とする協力枠組みとなっており、その他の類似する地域的な通貨協力枠組み(チェンマイ?イニシアティブなど)の成功経験を参照にしている。

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