Home > ニュース > 経済IT  > 第六次化産業の代表 -近代化した野菜生産工場
第六次化産業の代表 -近代化した野菜生産工場
2014年 6月 16日18:09 / 提供:
崇明基地を見学する畑沢徹氏(右)

 中国が国家プロジェクトで進めている、トマト、黄瓜、イチゴ、キュウリなど、野菜の研究施設。崇明島にある大規模植物工場。国家施設農業工程技術研究センター、崇明基地を見学する機会に恵まれた。

 ここはオランダ農業の最先端IT管理並びに工業化技術を導入していて、各種野菜の高収量、高品質化をめざしながら多くの研究がなされていた。最新の中国農業-このハイテク化を知ることが出来るというので、大きな期待を持って訪問した。

 上海市内を過ぎて、崇明島に入ると景色は大きく一変した。キチンと整備された道路は諸外国からの訪問客までを気持ちよく受け入れてくれた。

 わぉ~、左右にはものすごく綺麗な農民たちの住宅が建ち並び、島内に入って、30分後には農業工程技術研究センターに到着。

IMG_5848.jpg

施設面積は21,000m2.施設内は16区の栽培区域

 これまでにも、大型トマト植物工場を日本国内の各地で見てきたが・・・。 ここの建物の内装は 研究用施設としてのバランスと秩序が保たれており、他種多様の野菜類向け「パイロットプラン」の機能を持った施設である。まさに国家級にふさわしい規模と内装の配置、その清潔さを兼ね備えていた。

 この施設面積は21,000m2.施設内は16区の栽培区域に分かれていた。 

 最近は野菜だけでは無く、省エネルギー源の研究もしていた。この施設では今後、次々と野菜の生産、省エネ技術、作業効率を改良していき、さらに進化を遂げていくとのこと。

 さて、訪問者全員が試食をしたが、ヨーロッパ・日本にはない味と高機能性を兼ね備えたトマト、キュウリを食味した。美味しい!本当においしかった。

IMG_5834.jpg 

トマトの栽培基地

 このように、次々と各野菜を研究開発中。漢方の薬草までが栽培研究の対象になっていた。 将来はこの生産技術が「地産地消」野菜となるのではなく中国全国に行きわたり、多くの中国国民に日常的に消費されていく方向へと向かっている。

 今、中国では内需を拡大しつつ、国民の健康志向が高まり、経済状況が豊かな人々ほど新鮮で高品質、安全な野菜を望んでいる。この施設で研究された各種野菜がそのうち多くの国民に届く日はそう遠くなさそう。

 しかしながら、現在はいまだに、農業製品の流通は日本のように素早くはできないために、どうしても品質、鮮度が大幅に落ちている野菜を食べているのが現状。 多くの農業製品は今後、第六次産業の位置付けを確立していき、生産、加工、管理、流通改革がハイスピードで統合されていくだろう。既に、タブレット端末をもって、瞬時に注文を受け、適時適量を届ける流れが出来始めている。

IMG_5842.jpg

トマトの栽培基地

 特に、この種の温室栽培で難しいのはトマトの栽培。トマトの場合は本体の生長と実との生長をバランスよくさせる技術が必要なので、これらのバランスを放置して片方だけに成長させると、味と収量に大きな影響がでてくる。「トマトだけは他の野菜類とは一線を分ける。」この言葉が中国人の技術者から大きな印象として残っている。トマトの栽培技術にはそれなりに神経をつかっているそうだ。トマト栽培技術は一言で言えば” Power of Balance”が重要だそうだ。

(筆者:畑沢徹 写真:章坤良)

関連記事