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聯想がエジソン賞受賞 ソニーは赤字続き
2014年 5月 7日10:03 / 提供:人民網日本語版

 聯想集団(レノボ)の楊元慶董事長(会長)兼最高経営責任者(CEO)はこのほどアジアで初めて「エジソン賞」を受賞した企業家になった。このことは聯想のイノベーション能力が広く認められたことを物語る。同じ日にソニーが発表した業績報告の予測によると、2013年度は12億7千万ドル(約1295億円)の赤字になる見込みで、赤字額は市場の予想を上回り、ソニーにとっては過去6年間で5回目の赤字になる。業界では、ソニーが近年、赤字に陥っている主な原因は製品に競争力が欠けていることにあるとの見方が広がる。エジソン賞は権威のある賞で、歴代の受賞者には、アップルのジョブズ氏、クアルコムのジェイコブス氏、テスラモーターズのマスクCEOといった世間でよく知られたイノベーション型の企業家が並ぶ。今年受賞した楊氏は、。北米地域以外で初めて選ばれた企業家になった。これについてエジソン賞委員会のナーイル主席は、「楊元慶氏の牽引の下で、聯想は真のグローバル企業になっただけでなく、モデル転換の実現に成功し、次々と創意に富んだ製品を発表することで、世界のPCプラス産業のメーカーの新たなリーダーになった」と話す。「国際商報」が伝えた。  

 また聯想のマルチモードタブレット「YOGA」は、コンピューティングソリューション部門でエジソン賞の金賞を受賞した。YOGAタブレットは2013年11月の発売後、1カ月で100万台を売り上げており、金属製の円筒形ハンドルにより独特の存在感を放っている。市場調査会社インターネットデータセンター(IDC)がまとめた最新のデータによると、14年第1四半期(1-3月)には聯想のタブレットコンピューター出荷台数は世界4位で、市場シェアは前年同期の1.3%から4.1%に上昇した。またスマートフォン市場のシェアも4.6%に上昇し、華為を超えて三強入りする見込みが出てきた。  

 聯想はスマート端末市場に一番早く参入した企業ではないが、一連の「微創新」(革新的とはいえないが、なんらかの変化があり、メリットをもたらす創造)や中国製造(メードインチャイナ)で一貫した価格的優位により、聯想は新しい市場に急速に切り込んでいった。「持続的なイノベーション」は「画期的なイノベーション」ほど注目されないが、企業の持続的発展にとっては必須の条件だ。実際、サムスンもこうした持続的イノベーションの精神によって、アップルが生み出したスマートフォンやタブレットPCの市場で「活路」を見いだしている。

 一方、ソニーはプレイステーション(PS)やウォークマンなどの名作が一世を風靡したが、近年は競争力のある製品を生み出せずにいる。1961年の上場から07年までの47年間に赤字を出したのは1回だけだったが、08年から13年は黒字になったのは1回だけだ。市場では、最近の1年限りの黒字は資産を大量に売却したからに過ぎないとの見方が一般的だ。たとえば13年11月には米国本社ビルを11億ドル(約1121億円)で売却している。  

 ソニーの赤字の原因を探ると、製品が時代と共に進化していないことと関係がある。長年にわたり、ソニーはデジタルカメラやビデオカメラ、テレビなどのデジタル電化製品の経営に心血を注いできたが、スマートフォンやタブレットPCの登場により、ソニーの単一機能の製品は打撃を受けた。ソニーもスマートフォンを打ち出しはしたが、コストパフォーマンスの低さが販売量に影響。つまるところ、ソニーは製品開発をめぐって市場をよく理解しなかったし、それよりもソニーらしさばかりを追求してきたといえる。  

 もちろん、総合的な実力という点では、聯想は市場にぴたりと寄り添ってはいるが、中核的技術の不足により長期的な発展は制約を受けている。今年2月に発表した四半期報告によると、利益率は2.5%に届かなかった。一方、米ヒューレット?パッカードが同月に発表した四半期報告によれば、利益率は聯想の2倍にあたる5%だった。  

 ここからわかることは、聯想はヒューレット・パッカードを超えるPCのトップブランドになったが、総合的な実力にはまだ伸びしろがあるということだ。長年にわたり赤字の泥沼に陥ったソニーにしても、音響映像やディスプレーの分野では引き続き巨大な強みをもっている。聯想にとっては、今のようなイノベーションの製品をいかに維持し、イノベーションをどうやって中核的競争力に転化するかが、非常に重要な課題になる。

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