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マレーシア機失踪事件、保険・旅行業界に大打撃
2014年 3月 27日10:00 / 提供:人民網日本語版

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 マレーシアのナジブ首相は24日夜10時に緊急記者会見を開き、消息の途絶えたマレーシア航空MH370便がインド洋南部で墜落したとの見解を発表した。中国国内の保険会社は25日夜より、損害補償の緊急対応ルートを開通した。一部の統計データによると、損害補償金は計3000万元(約4億9500万円)以上に達する見通しだ。マレーシア航空に保険サービスを提供していた保険会社は、すでに初歩的な賠償の処理に着手しているが、最終的な損害補償の金額については確定されていない。広州日報が伝えた。

 調査によると、シンガポール・マレーシアツアーが事件の影響を受けており、ある旅行会社では3月の同ツアー申請者が前年同月比で4割減となっている。旅行会社側も販促を早めて顧客を集めようとしており、事件の影響は短期間内に渡り続くと見られる。データによると、国内外の航空市場で熾烈な競争に直面しているマレーシア航空は、すでに3年連続で赤字を計上している。今回の損害補償も、同社の財務状況をさらに悪化させ、破産を招く可能性がある。

 ◆保険会社、10社超が損害補償緊急対応ルートを開通

 中国国内の保険会社は昨夜、損害補償緊急対応ルートを開通した。中国平安によると、同社の生命保険・財産保険・年金保険の支払い対象者は53人に達し、うち生命保険が17人、財産保険が22人、年金保険が8人(1人確認待ち)、健康保険が1人、クレジットカード保険が5人となっている。昨日17時50分までに、中国平安が支払いを完了した損害補償額は1050万元(約1兆7300万円)に達した。

 中国人寿は不明機の中国人乗客32人・計74枚の保険証書を確認しており、900万元(約1兆4835万円)弱を支払う見通しだ。すでに1期目となる7人(38枚)の支払いを完了しており、金額は416万8600元(約6870万円)に達した。

 太平洋保険は、「当社の生命保険の加入者は12人に達し、保険金額については確認済みで、約404万元(約6660万円)を支払うことになる」と表明した。

 泰康人寿の公式サイトは、「機内の乗客のうち14人が当社の加入者で、約449万5000元(約7410万円)を支払うことになる」と発表した。

 招商信諾は「調査の結果、乗客のうち5人が加入者であり、うち個人保険が2人、団体保険が3人。支払額は128万元(約2110万円)に達する」とした。

 他にも中国人民保険、陽光保険、新華保険、友邦保険、安邦保険などの各社が、スムーズな損害補償ルートを開通すると表明した。
◆マレーシア旅行、消費者心理に悪影響

 旅行市場は現在、季節的な閑散期に入っている。旅行会社の関係者は25日、「ツアー取り消しはほぼ見られないが、申し込み者の数が大幅に減少している。シンガポール・マレーシアツアーの3月の申し込み者は、前年同月比で約4割減となった。旅行市場全体の変化は大きくないが、東南アジア市場は事件の影響で低迷している」と指摘した。

 業界関係者は、「シンガポール・マレーシアツアーの日程には影響が生じていないが、消費者の心理的な負担は一定の消化期間を必要とする。事件の影響が短期間内も続くため、現地の旅行局と旅行会社は宣伝を強化するべきだ」と提案した。

 ◆エアアジア、マレーシア航空のシェアを食い込む

 マレーシア航空の最大のライバルであるエアアジアは、低コスト経営により急速に台頭し、マレーシア航空が東南アジアの短・中距離便市場で占めていたシェアを奪った。マレーシア航空は国際長距離便でも、シンガポール航空などとの激しい競争に直面している。

 アジア太平洋航空センター(CAPA)のデータによると、2013年3月のマレーシア国内便市場において、マレーシア航空は40%のシェアを占め、エアアジアは51.5%に達した。マレーシア国際便市場の場合、エアアジアのシェアは50%で、マレーシア航空は39%のみだった。

 業界関係者は、「一般的に、マレーシア発中国着の便の場合、同じクラスの席であれば、エアアジアの料金はマレーシア航空を下回る」と指摘した。記者が昨日問い合わせたところ、4月30日の広州発クアラルンプール着の航空便の場合、エアアジアの税込価格は最低1183元で、マレーシア航空は1334元、中国南方航空は1825元となっていた。

 マレーシア航空の業績報告書によると、業界内の競争の激化、燃料コスト、為替相場などの影響により、同社は3年連続で赤字を計上しており、赤字額が計77億元に達している。

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