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日系車メーカー 下半期は新車投入で劣勢挽回か
2013年 7月 29日10:23 / 提供:人民網日本語版

 日系自動車メーカーは昨年から低迷状態が続いてきたが、今年5月に入ると新たな展開がみえてきた。前年同期比減少の流れが止まり、市場シェアが回復し始めた。中国新聞網が伝えた。

 下半期には、トヨタの「ヴィッツ」や「ヴィオス」の新型車、広汽ホンダの「クライダー」、東風ホンダの「ジェイド」などが一斉に市場に登場する見込みだ。あるメディアの調査によると、トヨタ、ホンダ、日産を含む日系大手ブランドはどこも緻密な販売促進計画を立てているという。ここからわかることは、下半期には日系ブランド車が一群となり、販売量増加に向けた大芝居を打つとみられることだ。

 ▽下半期に新車を集中的投入

 下半期、一汽トヨタはヴィッツと「RAV4」の新型車、「レイツ」や「プラド」などの中期リニューアル車を導入する予定だ。広汽トヨタは「ヴァーソ」のクロスオーバー車をうち出し、ディーラーの販売促進活動への支援を手厚くする。広汽ホンダの神子柴寿昭総経理(社長)はこのほど、13年から集約型製品の導入をスタートし、15年までにフルモデルチェンジ車およびリニューアル車計10車種を市場に投入すると述べた。

 ホンダの計画では下半期に東風ホンダのジェイドをうち出すことになっており、まず2.0リッター車を投入するが、このセダンとミニバン(MPV)の中間に位置づけられる車が市場に受け入れられるかどうかは未知数だ。広汽ホンダはこのほど発表したクライダーのほか、9代目アコードとブランドコンセプトカーの第二弾も下半期に市場に投入する計画だ。

 またマツダ、三菱、スバルなどの日系ブランドも下半期にさまざまな手を打つ予定で、新車の投入ペースが加速するとみられる。マツダは中国産「CX-5」を8月にうち出す。これはコンパクトサイズのスポーツ用多目的車(SUV)だが、全長が4555ミリメートルもあり、一般的なコンパクトSUVよりも少し大きい。アイドリングストップ機能、坂道発進補助装置、横滑り防止装置、キーレススタートシステムなどが装備され、エンジンにはCX-5にマツダ最新のスカイアクティブテクノロジーが採用されている。

 ▽日系車の中国現地化が加速

 広汽ホンダの第3工場とエンジン工場がこのほど着工式を行った。このエンジン工場はホンダが中国で建設した2つ目のエンジン工場で、完成すれば、東風ホンダ生産のエンジンを使用しているという制約から開放される。将来的には国内最新のエンジンを搭載したホンダ車を生産する予定だ。中国に最も早く進出した自動車合弁企業の一つである広汽ホンダが第3工場とエンジン工場の建設を始めたことは、現地化の歩みが一層加速したことを示すものだ。

 現地工場を新たに建設するだけではない。日系メーカーの設計で現地化の傾向がますます明らかになっている。広汽ホンダはこのほどミドルクラスカーのクライダーをうち出し、中国で設計された車体を採用した。同社はシティとアコードの中間に位置づけられる車で、主な競争相手は日産の「シルフィ」、フォルクスワーゲンの「ラヴィーダ」と「サギター」といったコンパクトカーだ。中国の消費者が求める内部の広さや外見のスマートさをよりよく実現している。

 現地化された設計や研究開発は一種の流行になっている。東風ホンダがまもなくうち出すジェイドも中国現地で設計・製造されたもので、競争相手はトヨタのヴァーソだ。

 トヨタの設計現地化の動きは、ヴィッツとヴィオスの新車によく体現されている。企業の戦略レベルでいえば、新型ヴィッツは広汽トヨタの小型車の手薄さを補い、市場競争力を高めるものになる。新型ヴィッツと同じく、新型ヴィオスも中国で設計されたもので、ターゲットを中国の消費者に絞っている。設計に先立ち、中国の消費者を対象に綿密な訪問調査を行ったという。

 

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