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シャープ、フィリップス 空気清浄機能で誇大広告か
2013年 5月 29日16:35 / 提供:人民網日本語版
  PM2.5が猛威を振るう中、「PM2.5の除去率99%」、「ホルムアルデヒド浄化率99%」をうたう空気清浄機が全国で好調な売れ行きを記録している。しかし中国中央テレビ(CCTV)が26日に放送した「毎週品質報告」によると、市場で販売されている5機種の人気空気清浄機を上海市環境保護製品品質監督検験総ステーションで検査したところ、3台のPM2.5が宣伝する除去率が検査測定値を下回った。また4台の空気清浄機のホルムアルデヒド除去率も、宣伝されている機能を大きく下回った。CCTVは、シャープやフィリップスなどの空気清浄機が、製品の機能を誇張していると疑問を呈した。羊城晩報が伝えた。

  ◆PM2.5とホルムアルデヒド 除去率は99%?

  CCTVの記者が北京や上海などの地域で調査をしたところ、一部の大型家電販売モールで、空気清浄機が各店舗の入り口側の目立つ位置に並べられていた。価格は1000元余りから1万減弱とまちまちであった。空気清浄機はこの数カ月で販売台数を伸ばしている。現在最も人気が高いのは、PM2.5とホルムアルデヒドの浄化機能を持つ製品で、この機能を持つ製品の多くはすでに品切れとなっていた。

  空気清浄機の主流ブランドには、フィリップス、亜都、シャープなどがある。性能や浄化機能が異なる多数の機種が存在し、ほぼすべての製品がPM2.5の高い浄化機能を誇ると宣伝している。また多くの空気清浄機は、ホルムアルデヒドなどの有害物質を除去できるとしており、その除去率も99%と高い。

  ◆PM2.5除去率、99%は5台中1台のみ

  空気清浄機の機能を調べるため、CCTVの記者は市場で販売されている、高い人気とシェアを誇る空気清浄機をサンプリングし、上海市環境保護製品品質監督検験総ステーションで検査を実施した。

  基準とされている統一的な試験条件に基づき、試験担当者はCCTVの記者から送られてきた5機種の空気清浄機のPM2.5除去効果を調べた。同ステーションの沈浩実験室主任は、「30立方メートルの試験部屋で、20分間に渡り検査した」と説明した。

  試験結果によると、規定された時間内で、5台の空気清浄機のうち3台の「PM2.5除去率」が、実測値を下回った。PM2.5除去率が宣伝と同じ99%に達したのは、シャープの「KJF420AA/BKC-W280SW」だけで、デロンギの「AC230」は93%だった(同製品はPM2.5の除去率を明記していなかった)。

  ◆低すぎるホルムアルデヒド除去率、専門家もびっくり

  試験担当者は、5台の空気清浄機のホルムアルデヒド除去能力についても、検査を行った。

  沈主任は、「今回の試験に採用した基準は、空気清浄機国家基準(18801-2008版)で、主に30立方メートルの試験部屋で検査が実施された。ホルムアルデヒドの初期濃度は、国家基準の上限値の8−12倍で、1時間に渡り測定された」と説明した。

  実際の試験結果によると、5機種の空気清浄機のうち、ホルムアルデヒド除去率が最も高かった製品でも78%のみで、宣伝されている効果を大幅に下回った。除去率が最も低かった製品は16%のみで、このような結果は試験担当者をも驚かせた。そのうちPM2.5除去率が最も高かったシャープの「KJF420AA/BKC-W280SW」は、ホルムアルデヒド除去率が61%のみだった(宣伝では97%)。またフィリップスの「AC4074」のホルムアルデヒド除去率も53%のみで、宣伝の99%を大きく下回った。

  ◆基準の乱れ、浄化機能の比較混乱を招く

  業界関係者は、「空気清浄機が市場で誇張して宣伝され、概念が混同されるといった乱れが存在するが、その重要な原因は空気清浄機に関する統一的・強制的な国家基準がないことだ。そのため製品がそれぞれ異なる基準を採用し、浄化効果の実験に関する条件が異なっている。そのため空気清浄機のいわゆる浄化機能については、比較対照がほぼ不可能だ」と指摘した。