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中日韓企業、欧州M&Aに意欲的
2013年 5月 27日15:54 / 提供:人民網日本語版

 世界4大会計事務所のPwCは5月22日に発表した報告書の中で、「中国企業による海外M&Aは過去五年間に渡り急増した。中国企業の2008年の海外M&A取引総額は103億ドルで、2012年には652億ドルの過去最多に達した。中国企業による海外M&Aは近年大幅に増加しており、特に2011−2012年にかけて、中国企業による欧州資産のM&A取引額が倍増した」と指摘した。それと同時に、日韓などのアジア諸国の企業もまた、欧州資産のM&Aに参入している。人民日報が伝えた。

 ドイツ貿易 投資振興機関の情報によると、ドイツの外資の主な出所は依然としてEU諸国だが、アジア諸国(特に中国)の対独投資額が増加を続けている。2011年、アジア諸国で対独投資額が最多だった国は日本で、累計154億ユーロに達した。韓国は2位の44億ユーロ、中国は11億ユーロとなった。中国の対EU投資の約半数がドイツに向けられた。中国の投資額は多くないが、近年になり急増している。中国は2007−2011年にかけてドイツの252件のプロジェクトに投資し、米国と英国に次ぐ世界3位、アジア1位となり、日本の188件と韓国の36件を上回った。

 日本企業は円高の期間中に、海外M&Aを強化した。統計データによると、日本企業の2011年の海外M&A総額は7兆3264億円に達し、前年比で倍増した。また件数は前年比23%増の計474件に達し、過去最多を記録した。医薬品 飲食 航空など内需型業界の大型M&Aが、日本企業による2011年の海外M&Aにとって最大の注目点となった。

 2012年にはウォン高が進行し、米ドルに対して相場が約7%上昇した。ウォン高により、韓国企業が海外M&Aを実施するための資金が確保された。サムスン経済研究所の金得甲研究員は、「現在は韓国企業が欧州企業を買収する絶好の時期だ。ウォン高だけでなく、国際市場の流動性が豊富で、資金調達がやりやすくなった」と分析した。

 実際に、韓国の大企業は昨年から動き出している。例えばサムスンは2012年7月に3億1000万ドルで、半導体企業の英CSRからモバイルハンドセット事業部を買収した。同社はまた同年8月に3400万ドルで、スウェーデンの半導体企業のナノラジオを買収した。韓国半導体メーカーのSKハイニックスは、イタリアの半導体メーカーのアイデアフラッシュを買収した。

 ◆M&A方式の調整

 注目すべきは、中国企業の海外M&A方式に、近年大きな変化が生じていることだ。中国企業の海外M&Aは数年前であれば資源関連企業を重視していたが、現在は買収によるコア技術 ブランドの掌握を重視しており、M&Aに参加する民間企業も増え続けている。中国企業はまた、かつての一定比率の株式取得による企業支配から、企業支配と資本参加の共存に移っている。特に世界有名ブランドの買収において、中国企業は資本参加を通じて中国市場を共同開拓し、その過程において主導権を握ろうとしている。PwC中国税務部中国企業サービス主管パートナーの黄佳氏は、「今後数年間に渡り、中国企業の海外M&Aは増加を続け、特に3−5年内の毎年の海外投資額は、外資誘致額を上回るだろう」と予想した。

 また、韓国企業のM&Aの方式と目的にも静かな変化が生じている。韓国大企業の海外投資先はかつて、自然資源 土地などの資産に集中していたが、現在の目的はコア技術の迅速な把握となっている。韓国中小企業の海外進出の熱意も、日増しに高まっている。調査報告書によると、韓国中小企業の78.4%が海外市場の進出を計画しているか、進出中であると回答した。そのうち進出を希望する市場は欧州(20.0%)、米国(19.3%)、中国 ASEAN(16.8%)、日本(10.5%)などとなった。

 ◆欧州の雇用創出

 ドイツの日本企業は1000社以上に達しており、現地で8万4000人の雇用機会を創出している。韓国は130社が進出しており、現地で約4000人の従業員を雇用している。日韓の投資分野は、自動車 機械 化学工業 電子機器が中心だ。中国はドイツで1000社以上の企業を設立しており、1万2000人の雇用機会を創出している。中国企業の投資分野は、自動車 建機 電子機器の他に、食品 飲料 紡績産業にも集中している。注目すべきことに、インドの対独投資も高い増加率を示している。インドは現在、ドイツで300社の企業を設立し、1万4000人を雇用している。

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