アップルの企業構造によると、その大部分の海外収入はごくわずかの法人税しか納める必要がなく、まったく納める必要がない場合もある。調査担当者によると、アップルは制度の違いを利用しているが、その行為は違法には当たらないという。
例えばアップルはアイルランドで、アイルランドおよび米国の税法の制度面の欠陥を利用し、巨額の脱税を行った。アイルランドの法律では、現地で管理・経営されている企業のみが、アイルランド企業とされる。一方の米国税局の規定でも、米国で設立された企業のみが米国企業とされる。同報告書は、「アップルは米国に対してもアイルランドに対しても、ごくわずかの税金しか納めていないか、ほぼ納めていないことになる」と結論づけた。またアップルがイスラエルに持つ子会社は、2011年に220億元の売上を記録したが、1000万ドルしか納税しなかった。
統計データによると、アップルが持つ1450億ドルの現金のうち、1020億ドルは海外にある。アップルの月曜日の証言によると、同社は2012年に計60億ドルを納税し、昨年米国で適用されていた連邦実効税率は30.5%だった。アップルは調査担当者に、「当社は昔から、欧州・中東・インド・アフリカ・アジア・太平洋事業の登録先をアイルランドのコークにしており、近年現地との交渉で2%未満の特別な法人税率の適用で合意していた」と回答した。アイルランドの法定法人税率は12%で、米国の35%を下回っている。
アップルはこのほど、「米国の現行の税率を考慮し、当社は海外の利益を米国に移転するつもりはない」と表明した。アップルはまた米議会に税制改正を促し、「現行制度は、海外の利益を米国に持ち帰る企業にとって不利だ」と主張した。
米上院の常設調査委員会は報告書の中で、「自社の対策により、アップルは2011年に米国で35億ドルを脱税し、2012年にはこの金額が90億ドルに達した」と予想した。米上院のジョン・マケイン(共和党)氏は、「アップルは自社を米国最大の納税者と称しているが、同社は事実上、米国最大の脱税者でもある。同社は米国国民の収入を意図的に剥奪している」と指摘した。