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高級車メーカー 中国の若手富裕層を狙う
2013年 2月 6日9:48 / 提供:人民網日本語版

  あるモーターショーの2日目、アストン・マーチンの展示ブースのスポーツカーがテープで囲われ、近距離からの観覧と接触が禁じられた。スタッフは、「この車は販売済みです」と語った。北京、上海、それから毎年年末に開催される広州モーターショーでは、このような光景が繰り返されている。中国の若き富豪が1000万元(約1億4000万円)級の高級車を買い取ったという情報は、各モーターショーのホットな話題となる。第一財経日報が伝えた。

 ブガッティ・ヴェイロン、ベントレー・ミュルザンヌ、ランボルギーニ、マセラティなどの高級車の販売担当者は異口同音に、「購入者の身分は明かせないが、多くは30歳前後の若者だ」と語る。彼らの外見は一般人と変わらないが、高い購買力を持つ。

 中国富裕層は、各コンサルティング会社やメーカーのリサーチの中心となっている。マッキンゼー・アンド・カンパニーは先ほど発表した報告書の中で、2014年の中国富裕層家庭が400万戸に達し、平均年齢が日本を20歳下回るとした。一般的な消費者と比べ、富裕層は教育水準が高く、個性を求める傾向がある。

 経営不振に陥っている米テスラ?モーターズは、中国進出を計画している。同社は先ほど、2013年春に中国初のディーラーを設立すると発表した。同社は高級電気自動車とSUVを生産しており、コンセプトカーに似た奇抜なデザインとスポーツカーに比肩する加速性能を売りとしている。同社のスポーツカータイプの電気自動車「モデルS」の米国での販売価格は5万ドル(約31万元=465万円)に達する。中国で輸入販売する場合、販売価格は約50万元(約750万円)に達する見通しだ。

 テスラ・モーターズの販売担当者のジョージ・ブランケンシップ氏は1月中旬、同社が2013年に世界で25店のディーラーを開設する(中国初のディーラーを含む)と発表した。同氏は、「当社は自動車を販売するのではなく、交通手段の電気化の推進を促したい」と語った。しかし美しい理想は、抗えない現実に直面している。

 テスラ・モーターズの2011年の売上は2億400万ドルに達し、このうち第4四半期の赤字額は8150万ドルに増加した。同社の2012年第3四半期の売上高は、前年同期比13.1%減の5010万ドルとなり、赤字額は前年同期の6508万ドルから1億1100万ドルに拡大した。2012年第3四半期末、「モデルS」の毎週の生産台数は100台のみだった。

 ブランケンシップ氏は、「当社は今年春、北京で中国初のディーラーを設立する。中国人消費者は高級車に対し強い需要を持っており、高級電気自動車ブランドとされる当社は大きなチャンスを手にすることが可能だ」と述べた。

 もう一つのデータは、別の側面から中国富裕層の高級車に対する購買力を示している。ポルシェの2012年の中国販売台数は3万1205台、ロールスロイスは約1050台、マセラティは約900台、フェラーリは約770台、ベントレーは約2253台に達した。中国はすでに上述した高級車ブランドの、世界1・2位の市場になっている。ポルシェやベントレーの中国販売台数は、世界販売台数の4分の1以上に達している。