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中国ポータルサイト大手、集英社・バンダイと業務提携 海外進出図る
2013年 1月 21日17:04 / 提供:人民網日本語版

 中国のポータルサイト大手「騰訊(テレセント)」傘下のオンラインゲーム関連サイト「騰訊遊戯」は17日、集英社、バンダイナムコゲームスと業務提携に関する契約を交わした。騰訊遊戯は昨年4月にも、ディズニーと提携契約を交わしており、海外の名作アニメの力を借りて世界オンラインゲーム市場のチャンスをつかみたい考えだ。「第一財経日報」が伝えた。

 今回の業務提携により、騰訊遊戯は傘下の漫画?アニメ配信サイトで集英社の「NARUTO -ナルト-」や「ワンピース」など人気マンガ11作品の電子版を配信する権利を獲得。バンダイナムコゲームスとの業務提携では、オンラインゲーム「NARUTO OL」を打ち出す。バンダイナムコゲームスの渡辺浩考ゼネラルマネージャーは「バンダイナムコゲームスが世界市場向けにパソコン用オンラインゲームを製作するのは初めて。騰訊はこのゲームを世界に先駆けて配信する権利を持つ」と説明した。

 騰訊遊戯は昨年から、「エンタメ化」戦略を体系的に推し進めており、IP(知的財産)ライセンスを柱、ゲー運営、ネットワークプラットフォームを土台とした多分野・プラットフォームの全く新しいビジネスモデルを模索してきた。騰訊インタラクティブ?エンターテイメント事業部の程武・副総裁は17日、今回の提携は戦略的構想の現れだと語った。

 しかし騰訊遊戯の野望はこれにとどまらない。程氏は「著作権は最重要事項ではない」と語り、今後原作アニメの版権を中核として、書籍、映画、テレビ、ゲームなど文化関連産業をリンクさせた全く新しい発展モデルを模索する方針を明らかにした。現在の想定では、同社のインスタントメッセンジャー「QQ」に名作アニメのキャラクターを使った有料アバターを追加するほか、モバイルメッセージサービス「微信(WeChat)」などとの連携も図るという。

 騰訊遊戯は騰訊グループ内でも、以前からドル箱とされてきた。騰訊の2012年第3四半期(7-9月)財務報告では騰訊遊戯の収入は前期比7.3%増の59億7290万元(約5383億円)に達している。騰訊全体の収入115億6560億元(約1兆424億円)のうち、騰訊遊戯の収入が実に51.6%を占めている。米国、欧州や韓国市場などの海外市場のゲーム収入を入れると、この数字はさらに増加する。 2012年第4四半期(10-12月)の財務報告発表会で、騰訊の馬化騰・最高経営責任者(CEO)は月の1人当たりの平均利用料「ARPU値」について、数百から数百万人という大規模なプレイヤーが同時に参加するオンラインゲーム「MMOG」で通常、1四半期100(約1449円)-160元(約2318円)、簡単な操作で短い時間に楽しめる「カジュアルゲーム」で55(約797円)-160元(約2318円)と明らかにした。 業界関係者によると、馬氏は昨年に組織の見直しを行って以来、ゲーム分野で「世界オンラインゲーム市場のチャンスをつかみ、海外進出を進める戦略的方針を打ち出している。こうした中、多くの海外有名企業と戦略的業務提携を結び、実質的な商品の開発?経営を行う騰訊遊戯は、「開拓者」の役割を担っている。 2005年に国際事業部を設立した騰訊は現在、東南アジアや北米、欧州などと業務提携を行っているほか、米国、韓国、欧州、東南アジアなどでは優良なインターネット企業に戦略的投資も行っている。

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