新華社財政経済部門が選んだ2012年国際経済10大ニュースを発表した。(出来事の発生順)
一、IMF大規模増資における中国の貢献
4月20日、国際通貨基金(IMF)春季大会と6月19日メキシコで行われたG20ロスカボス・サミットにおいて、国際社会は2度にわたりIMFへの増資について検討を進め、各国は最新増資額約4560億ドルで合意に達し、その内中国が430億ドルの増資を約束した。この事はIMFが全世界の経済?金融を安定化させるのに有利に働き、また各参加国が共同で危機に対応し、金融の安定維持に対して責任を負うという立場を表明したことになる。
二、交流サイト(SNS)「フェイスブック」の株式上場
5月18日、世界最大の交流サイト(SNS)「フェイスブック」が米ニューヨークのナスダック市場に上場した。資金調達額は160億ドルで、米ネット企業のIPO(新規株式公開)記録を破った。しかしこの上場は米ネット関連株式がバブルの絶頂に達したことも示している。上場の2日目株価は公開価格の38ドルを下回り、8月には20ドルを下回るまでに急落し、時価総額500億ドルが吹き飛んだ。「フェイスブック」は徐々にIPOの典型的な失敗例と受け止められるようになり、主幹事を務めたモルガン?スタンレーに対して責任を問う声があがっている。
三、人民元の国際化プロセスが加速
6月1日、人民元と日本円の直接取引が正式に始まった。中日はお互いに重要な貿易と投資のパートナーであり、通貨の直接取引は両国企業のレートリスク減少、両国の経済貿易交流の促進、地域協力レベルの引き上げに対してメリットがあり、また人民元の国際地位が一層高まったことをも現している。2012年、人民元の国際化プロセスは明らかに加速し、国際貿易における人民元決算業務と直接投資における人民元決算業務の規模は絶えず拡大している。中国はオーストラリア、ブラジル、トルコ、アラブ首長国連邦、モンゴル等とも自国通貨スワップ協定を締結しており、その総規模は1万億人民元を超える。
四、ロシアが正式に「WTO加盟」
8月22日、ロシアは18年に及んだ苦しい交渉の後、正式に世界貿易機関(WTO)の156番目のメンバー国となった。ロシアのWTO加盟は、WTOが国際貿易規則の中に組み入れた最後の重要な経済体であり、これによりWTOが98%の国際貿易をカバーしたことになる。現在、ロシアの名義国内総生産が世界ランキングで11位となっている。ロシアのラフロフ外相は、ロシアがWTO加盟は「経済ゲームの規則とロシアの経済環境に深刻な変化をもたらしているところだ」と述べた。
五、米連邦準備理事会がQE3を開始
9月13日、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和第3弾(QE3)の通貨政策を開始すると宣言した。窮地の増長と欧州債務危機に対応するため、2012年に世界の主要先進経済体の中央銀行が緩和政策の重視を継続している。米国以外に、イギリス中央銀行は緩和規模を2度拡大しており、日本中央銀行は通貨の緩和措置を4度追加し、欧州中央銀行は新国債の無制限買い取りを打ち出した。しかし、量的緩和は短期的に経済を刺激するのには役立つが、長期的な財政再建と構造的改革に取って代わることはできない。目下、この政策の効力は日益しに下がり、次ラウンドのインフレと資産バブルを引き起こす可能性があるだろう。
六、「欧州安定メカニズム」が発足
10月8日、ユーロ圏を永久的に救済する基金−−「欧州安定メカニズム(ESM)」が正式に発足し、常設の救済メカニズムとして、融資が困難で、救済を必要とするユーロ圏諸国と銀行に向けて資金支援を提供する。ESMはユーロ圏各国が比率に基いて出資し、総計が7000億ユーロで、新規融資可能額が5000億ユーロとなり、ユーロ圏の永久的な金融の「ファイアウォール」であり、ユーロ圏が危機に対応する重要な措置でもあり、その樹立がユーロ圏成立後に救済メカニズムが欠乏している或いは救済メカニズムがただ臨時的に救済できるという欠陥を根本的に補っており、投資者がリスクを防ぎ止める自信を増やす手助けとなるものと見られている。