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北京-上海高速鉄道の「和諧号」、電力消費は飛行機の12分の1
2011年 7月 1日13:33 / 提供:「人民網日本語版」

 北京と上海を結ぶ「京濾高速鉄道」が30日、正式に開業した。こうした中、京濾高速鉄道に使用されている次世代高速鉄道車両「和諧号(CRH380A)」が時速300キロで運行した際の電力消費に関心が集まっている。この点について鉄道技術の専門家、梁建英介氏に話を聞いた。梁氏は、「和諧号」の開発?製造会社「南車青島四方机車車輌股分有限公司」で副技術長を務める。以下は梁氏の説明の要旨。中国国営の新華社通信(電子版)が報じた。  

▽電力消費は飛行機の12分の1 環境にもやさしい  

  「『和諧号』が時速300キロで走行した場合、旅客一人当たりの消費電力は100キロ当たり3.64キロワット時で、旅客機の12分の1、小型乗用車の8分の1、中型バスの3分の1と非常に効率が良い。北京-上海を同列車で旅行した場合の1人当たりの消費電力は約48キロワット時」  

  「環境にやさしいエコ型の高速列車で、主には低燃費、車輌の軽量化、排出物收集などの面に現れている」  

▽空気抵抗の低減が省エネの鍵

 「列車が高速走行する際、空気抵抗をいかに減らすかが電力消費を抑えるカギとなる。『和諧号』の先端部分はトータルデザイン、シミュレーション、風洞テスト、試作車の製造など研究・開発をかさね、20種類の形状から10種類の形状へ、10種類の形状から5種類の形状へ、そして最後に5種類の形状から1つへと徐々に最適化していく形で進められた。最終的に選ばれた同車の先端部分は、多くの設計変数から最適のものが選ばれ、空気抵抗は15.4減少し、線路上での実地測量では車両全体の抵抗も約5%下げることに成功した」  

▽「回生ブレーキ」で高いエコ性能を実現  

  「『和諧号』では電気・エアを使用する複合ユニットブレーキが採用されている。制動する際、通常は駆動力として用いているモーターを発電機として作動させ、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し回収することで制動をかける『回生ブレーキ』を最大限使用する構造で、最大発電功率は駆動功率より50%高く、『回生ブレーキ』使用率は90%に達する。このブレーキシステムも同車が高いエコ性能を実現した要因の一つとなっている」

▽軽量化設計と排出ゼロ

 「『和諧号』は設計を軽量化することでさらにエコ性能を高めている。例えば車体の軸を15トン軽量化できる設計を採用することで、車輪とレールの間に働く力を軽減し、摩擦抵抗を下げている。また、同車では発光ダイオード (LED)を使用した照明器具を中央真空システムで制御する方式を採用し、排気ガスの排出ゼロを実現している」

 

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