Home > ニュース > 経済IT  > 中国の対日ビジネスチャンス拡大
中国の対日ビジネスチャンス拡大
2011年 4月 29日9:44 / 提供:新華網日本語

  最近、遼寧、吉林、山東を取材し、対日輸出契約が増え、ビジネスチャンスが生まれていることがわかった。

  放射能の影響と日本の地震被災地救援の必要から遼寧省大連の食品産業の対日輸出が顕著に増えている。このところ大連開発区の対日農産物加工企業の多くは受注が急増し、生産能力が短期集中的に発揮されている。

  大連精和食品有限公司は地震後、日本の顧客から2度追加発注があり、漬け物の受注総量が当初の16トンから32トンに増え、工場はフル稼働している。

 大連東芝電視有限公司総務部の孫衍蕩副部長は記者に、日本の電力制限のため東芝本社は日本の深谷工場の液晶テレビ10万台の注文を大連に移し、大連を新たな生産拠点にすることを決定したと明らかにした。

 吉林宇平工芸品製造有限公司は吉林省の工芸品業界をけん引する企業で、製品は日本国内の観光記念品市場でシェアが75%に達している。郭凱平副社長は次のように語った。地震当時、日本からの3、4カ月前の注文の納品が終わっておらず、注文が取り消されるのではないかと心配していた。連絡したところ、日本の業者は発注の継続だけでなく、日本企業の生産停止による穴を埋めるため、より多くの種類の商品を生産することについて、4月下旬に中国で検討することで合意した。

 吉林省商務庁対外経済貿易処の華雪松処長は、日本の地震による同省の繊維、ハイテク、農業・副業産品など主要商品の輸出への影響は比較的小さく、調印した契約、注文は基本的に履行できると語った。

 同省商務庁の予測では、日本の地震で吉林の中低位製品、繊維品に対する需要が多少増える。建材?家具の輸出は今年50%前後伸びるとみられる。同時に日本の震災復旧復興などで建設用鋼材や農産物、食品の需要も一段と伸び、吉林省はこれらの面で力を発揮できる。

 大連金山水産有限公司の陳立家社長は、最近ワカメの輸出受注がかなり増え、価格も30―40%上昇しているが、加工能力は需要に追いつかないと言っていた。

 陳社長は「日本のワカメは大部分が福島、宮城など、今回の震災で深刻な被害のあった地域で生産されており、地震と放射能の影響で生産再開まで3―5年はかかる。近年、中国のワカメが日本市場の70%を占め、さらに大連産が60%に上っている」と強調した。

 大連市対外経済貿易局によると、大連の対日農産物輸出も拡大が見込まれる。すでに日本の水産品会社が大連にアワビや大型エビの供給元を探しに来ているという。

 長期的にみて、日本の地震で農産物、水産物に対する需要が増える。震災復興期には中国商品に対する需要が大幅に伸びる。中期的にみて、放射能および人々の心理的影響が消えるのは難しく、今後一定期間、大連の農業?副業産品の対日輸出は拡大が見込まれる。

 同様に山東省の対日輸出も伸びている。青島恒孚食品有限公司は野菜の冷凍加工を行い、製品のすべてを輸出している。王吉傑社長は記者に次のように語った。「日本との契約は1年に1回だったが、福島原発事故で、半数の顧客は注文履行の前倒しを求め、これまで商談成立のなかった多くの顧客が最近、契約しており、新規受注は昨年通年の受注のほぼ30%に上っている」。

 山東省商務庁の統計によると、同省の対日輸出は2月が8億1604万ドルだったが、3月は地震で大幅に増え、前年同月比54.2%増の15億7870万ドルに達した。

 日本の震災復旧復興で建材、鉄鋼などの関連産業もチャンスを迎えている。日本の業者はすでに中国東北地区の建材市場を視察している。日本の国際貿易業者の1人は日本の建設業者の委託を受け、最近、瀋陽、大連市場を視察した。その目的は主に大量の震災復旧復興物資の調達で、復旧に少なくとも2―3年はかかり、この期間は大量の建材や生活物資が必要で、交通や距離的条件から調達先として中国が真っ先に検討されるとみられている。

関連記事