Home > ニュース > 経済IT  > 日本の大地震で中国の原発に三つの示唆 陸啓洲中電投社長
日本の大地震で中国の原発に三つの示唆 陸啓洲中電投社長
2011年 3月 13日10:28 / 提供:新華網日本語

 中国人民政治協商会議(政協)全国委員で中国電力投資集団公司(中電投)社長の陸啓洲氏は同日、日本の今回の大地震による原発への影響についてはまだ評価が行われてないが、中国の原発の安全に対して三つの示唆があり、それは「非能動」安全システムを採用している第三世代原発技術は地震に対して第二世代技術より安全であること、国から原発企業のレベルまで安全対策をしっかり行うこと、各原発間の緊急連携を強化することだと述べた。

 報道によると、大地震で日本の11基の原子炉が自動的に運転停止した。一部はディーゼル油による緊急電源が正常に作動せず、冷却水の循環に影響を与え、炉内の余熱を正常に放出できなくなり、温度が上昇し、放射性物質の漏出さらに原子炉溶融、爆発の危険性がある。

 陸氏は開会中の全国人民代表大会(全人代)と政協の会議場の外で取材に答えたもので、次のように語った。

▽地震で影響を受けた日本の原発が採用しているのは第二世代技術で、最大の問題は緊急事態で原子炉の運転が停止された後、予備電源で冷却水を循環させて放熱しなければならないことだ。中国が現在、沿海部で建設している原発と今後、内陸部の原発に普及させる第3世代技術AP1000はこの問題がない。「非能動」安全システムを採用しているためで、原子炉の上に1000トンクラスの水槽を多数据え付けており、緊急事態の時に交流電源や緊急用発電機の必要がない。引力や重力で安全システムが働き、炉心を冷却し、余熱をとり、また格納容器外側に水を噴霧し、原発の安全状態を回復する。

▽イメージ的に言えば「非能動」システムは水洗トイレのようなもので、上部に大きな水槽があり、動力がいらない。内陸部の原発は循環用冷却水に対する一段と高い要求のあることを考慮し、すべて第三世代技術の採用を決定した。

▽(福島第1原発1号機の原子炉冷却システム故障で菅直人首相が直ぐに原子力緊急事態宣言を発令したことを挙げ)原子力事故には迅速に対応し、有効な処置をとることが非常に重要で、中国は国から関係機関、企業レベルまで他国の経験?教訓を学び、緊急対応?処置能力を高めなければならない。

▽中電投は日本で地震が起きた日に直ぐに原発安全状況の「波及」判断・評価を行った。中国の関係機関も日本の原発で起きた事態の推移を注視していると信じている。中電投は原発過半出資資格を有する三つの原発グループの一つで、権益を保有する原発設備容量は150万キロワットで、全国の14%を占めている。建設中のものは約700万キロワットで、全国の4分の1前後を占めている。

▽原発の緊急電源が作動しない場合、他の原発の緊急支援が必要になる。日本の今回の原発で起きた事態による中国に対するもう一つの示唆は、帰属の異なる企業の原発の間でも横の連携を強め、特に緊急事の連携の仕組みを確立すべきで、現在、中国はこの面の仕組みに欠けており、国レベルで推進する必要がある。

関連記事