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北京:空港リニア鉄道建設で日独が激しい競争
2003年 10月 22日9:08 / 提供:

『新華網』21日付報道によると、北京市の東直門から空港まで26キロメートルをつなぐ鉄道建設計画がほぼ確定し、あとは採用技術を決定する段階にきていることが明らかになった。この鉄道建設には日本とドイツの企業が名乗りを挙げており、両者によるし烈な競争が予想される。

 今回の採用交渉は、このほど話題になっている北京−上海高速鉄道における競争と異なり、日本、ドイツ共にリニアモーター方式を推薦している点にある。日本の伊藤忠商事はリニアモーター開発企業の中部HSST開発と提携し、HSSTシステムの世界展開を推進。今回の中国進出で、世界に遅れを取っている日本のリニア技術の巻き返しを図る。  

 一方、上海市内のリニアモーターカーで実績のある独ティッセン・クルップ社は、建設路線について独自の展開を行っている。同社は東直門−北京間を支線とし、北京空港と天津空港間にメインの路線を建設する事を提案。同社の誇る最高時速430kmのリニア技術を、北京−天津間137キロメートルで十分に活かそうとする考え。

 すでに実績があるティッセン・クルップ社が採用獲得に有利ともみられているが、同社の技術はコストが高く、北京−上海高速鉄道でもこの面が大きなネックとなっている。さらに、上海リニアで試運転の段階で起きたケーブル焼損事故がマイナス要因として叫ばれている。  

 その点、伊藤忠商事のHSST方式はスピードこそティッセン・クルップ社に劣るが、それでも26キロメートルを7分で連絡し、コストもドイツ製より抑えることが可能。またエコロジーにも考慮しており、2008年の北京五輪の理念となっている「グリーンオリンピック」にも合致するということで、同社は積極的なアピールを続けている。