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中国、初めての全流域水力発電工事地震観測点網を構築中
2006年 11月 16日8:30 / 提供:

  長江上流の烏江流域に対する全面的な水力発電開発をめぐって、中国は初めての全流域水力発電工事の地震観測点網を構築中で、水力発電工事の安全と総合的収益の十分な発揮を確保する狙いだ。

 14日北京で行われた烏江流域水力発電工事デジタル遠隔測定地震観測点網一期工事完工検収および二期工事実施案技術審査会議からわかった。

  延べ1050キロの烏江は、落差が1000メートル近くで、水力資源が豊富、水力発電開発の密集する河川だ。完工したかまたは建設中、建設予定中の水力発電所約10ヶ所のダムが約900キロの河川に分布している。  計画中の烏江流域水力発電工事デジタル地震観測点網は、34の遠隔観測点、4つの中継ステーション、2つのセンター、5つの地震情報ステーション、1つの地震情報総括ステーションと一組の流動地震観測システムで構成され、二期に分けて建設される。16の固定遠隔観測点、3つの中継ステーション、1つのセンターと1つの情報総括ステーションを含む一期が2004年に完工し、運営されてからもう二年だ。2006年8月までに、300キロの範囲で地震279件を記録。観測の結果では、ダム地域周辺部の地震活動が正常値にとどまり、顕著な異常が発覚していない。

  「一期の運営は、水力発電所周辺部の地震観測能力を大いに強めている」と、この観測点網の建設を担う貴州烏江水電開発有限責任公司の趙三其副総経理は示し、重点観測対象に対し、最低マグニチュード0.6の地震の位置を測定し、速報時間を15分以下に抑制することができるという。

  烏江中下流で建設予定中の三つの水力発電所に歩調をあわせて、地震観測点網の二期もまもなく発足し、2007年6月末までに完工、運営する。  中国でダムによる地震誘発について、まだ資料累積、研究しながら応用する段階にとどまっている。とくに河川沿いで開発されたダム群による地震誘発の基礎的資料は国内外でも空白の状態だ。

  「観測点網の建設が全部完工したら、ダムによる地震誘発の基礎的資料の累積をとげ、堤防地域付近の地震加速度値や強みを提供、データを分かち合い、ダムによる地震誘発予測の研究レベルをますます高める」と、中国地震局監視予報司の呉書貴副司長は語った。