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台湾企業の大陸投資路線図
2005年 5月 23日10:56 / 提供:

一.時間順   台湾企業(以下、大陸の台湾企業が「台資企業」という)での大陸投資は、1970年代末からスタートした。当時、台湾企業の大陸への投資は台湾当局に禁止されたから、主にシンガポール、タイ、香港などを経由して行った。投資規模が小さかった。

  1987年、台湾当局が大陸への親戚訪問を開放し、「戒厳」状態を解除したあと、台湾資本の大陸投資は表になり始めた。統計によると、1988年までに、台湾企業の大陸投資が累計400件あまり、契約ベースの投資金額が6億米ドルだった。1991年一年の台湾企業投資プロジェクトは1 , 700件あまり、契約ベースの投資金額は13億米ドルにのぼった。

  1992年ケ小平氏の「南巡講話」以後、台湾企業の大陸投資はブームになった。1992年一年だけの投資規模は99億米ドル(台湾資本)、以前の合計額を上回った。其の後、台湾企業の大陸投資は台湾当局のある程度の制限を受けて、波があったが、全体的には成長する一方である。2004年末までに、台湾企業の大陸での投資では、プロジェクト数が6万件あまり、契約投資金額が800億米ドル、実行ベース金額が400億米ドルに上った。この数字は表の統計に過ぎない、相当な数量の台湾資本はその他の国や地域を経由して間接的に大陸に進出した。ある推測では、実質ベースの台湾資本の大陸進出金額は1 , 000億米ドルを超えた。

  最近、台湾国民党主席連戦氏と親民党主席宋楚瑜氏の大陸訪問(「上陸」)は、両岸の経済貿易環境と政治関係をさらに緊密化させ、台湾企業の大陸への投資進出は新しい局面を向っているとの期待があり、投資の新しいブームも予測されている。

 二.地域分布   1980年代から1990年代の半ばにかけて、台湾企業の大陸進出先は主に華南地域の広東省、福建省でした。特に広東省の東莞市は、全体の半分ぐらいを集積された。  

 1990年代の後半から、台湾資本の進出方向は明らかに上海を中心とする長江デルタ地域に転換した。近年、台湾企業の広東省への投資成長が緩めた。ある話しでは、上海市だけで30万人の台湾ビジネスマン ( 中国では、「台商」という ) がいる。もちろん、この2 - 3年に、台湾企業はさらに長江デルタ地域の奥地に進みるとともに、華北、華中地域に展開し始めた。

 三.産業分布   最初に大陸進出した台資企業は主に労働集約型企業がほとんどで、その後に技術集約型企業とサービス業にシフトした。さらに、一部の台湾資本は資源開発や基礎産業にも展開した。  

  2002年の統計によると、台湾企業の大陸での投資分野において、電子及び電器製造業は全体の40%、基本金属及び金属製品加工業は10%、残りはサービス業となった。過去の労働集約型産業の占める割合は次第に縮小している。

 四.投資規模   1994年前後、台資企業の一件あたりの投資金額は100万米ドル、1996年に300万米ドルを超えた。その後、ある程度で下降したが、2000年は1996年の水準に戻った。最近の数年間に、台資企業の投資規模は快速向上、大企業と大プロジェクトの進出は増えた。2003年の上半期までに、のべ424社の台湾上場企業は大陸に投資進出、台湾の上場企業の64%を占めた。

 五.新しい動向   一には、産業と企業の集積がさらに進行される。最も有名なのは江蘇省昆山市の台資IT製造業の集積拠点で、一つの完備なコンピューター産業チェーンが形成された。  

二には、過去、台湾企業が大陸の安い労働力の利用を主な投資動機とし、大陸を加工拠点にして、製品製造の特徴は「二頭在外」、即ち、原材料が海外から、市場も海外にあることだった。現在、大陸は台資企業にとって一つの重要な購買基地になった。ある統計によると、大陸の台資企業の仕入れる原材料の60%は現地からとなっている。

 三には、以前大陸の台湾資本企業の製品は主に輸出した。現在、台資企業は大陸市場を最も注目している。一部の台資企業は大陸で研究開発センターを設け始めた。

(作者:孫昇亮 中国社会科学院台湾研究所経済室副主任 編集:SDJ)