シンガポールの「国父」と呼ばれるリー クアンユー氏は、中国と世界の関係について、「経済的要素が根本的な流れを決める」と述べた。中国経済はこの1年余りに渡り新常態を迎えており、中国の経済外交も新理念、高頻度、豊富な成果という新常態を示している。海外の観測筋は、世界経済協力において、中国経済外交の新たなモデルが形成されつつあることに留意している。
経済外交の中国モデルは、まず一連の新たな理念によって示される。中国の経済外交はこの1年余りに渡り、世界に独創性のある斬新な印象を与える言葉を形成した。習近平国家主席は2013年9月と10月に、それぞれ「シルクロード経済ベルト」、「21世紀海上シルクロード」という構想を打ち出した。中国の首脳経済外交により、2014年にこの二つの新概念は「一帯一路」というキーワードになり、世界により深く認識され、受け入れられるようになった。
またG20、APEC、BRICSの協力、上海協力機構、中欧、中米、中国 アフリカなどの二国間 多国間協力枠組みにより、「相互連結」、「高速鉄道外交」、「経済回廊」、「開放型世界経済」、「アジア太平洋自由貿易圏」など一連の中国の概念が広く伝わった。
「先物取引の父」と呼ばれるレオ メラメド氏は、中国の経済外交におけるこれらの新たな理念について触れた際に、「中国に耳を傾け、理解するべきだ」と述べた。
カーネギー国際平和財団の黄育川チーフ研究員は、「中国の一帯一路構想は、アジアの隣国間、アジアと世界のその他の国 地域間の連携を促進する」と指摘した。
経済外交は中国の経済の範囲を拡大し、中国の道義的責任のある大国としてのイメージを示した。
利によって融合し、義によってつながる。中国は経済的手段により世界と交流する中、経済的利益の交換のみならず、中国の手段、中国の姿勢により世界の平和と共同発展を維持し、より合理的な新しい国際経済の秩序を形成することを重視した。
習主席は2014年8月にモンゴルを訪問した際に、中国の開発途上国への援助は、正確な「義利観」(正義と道義を重視し、ウィンウィンの原則を貫く)を堅持し、どちらが損をし得をするといったことはないと強調した。習主席はまた、中国は他国が中国の発展の列車に乗り、ウィンウィンを実現することを歓迎すると明確に表明した。
タイ正大管理学院中国ASEAN研究センター長の湯之敏氏は、「中国 タイ鉄道は、両国関係、ひいては中国 ASEAN関係の新たな歴史のスタートラインを見守った。これはより緊密な中国ーASEAN運命共同体の建設に有利だ」と分析した。
頻繁な外交により、中国経済は世界に大きな変化をもたらした。ニューヨーク大学米中関係研究センター長のデヴィ ディノン氏は、「欧米はより開放的な姿勢で中国を迎えるべきだ」と述べた。
米国の著名エコノミストのジョセフ E スティグリッツ氏は、これを深く洞察している。ノーベル経済学賞受賞者の同氏は、このほど「中国の世紀」と題する論文の中で、「新たな経済の現実の影響により、世界の政治経済の新秩序が形成されつつある。中国がその中で重要な力を発揮している」と指摘した。