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中国の世界遺産申請への抗議は誰に禍根を残すのか?
2014年 6月 16日11:31 / 提供:新華社

 日本政府は11日すでに中国側に交渉、抗議し、また撤回を求めたと表明したが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)はやはり当日中国による旧日本軍の南京大虐殺および強制慰安婦に関する歴史資料の世界記憶遺産リストへの登録申請を確認・受理した。

 南京大虐殺と強制慰安婦の問題は、日本が第二次世界大戦中に犯した「人道に違反し、人権を侵し、人類に背いた」極悪非道な犯罪行為のシンボルだ。日本軍は1937年末に南京を占領した後、6週間の間に中国の平民と武器を捨てた軍人30数万人を虐殺し、おびただしい数の女性を強姦して、国内外を驚愕させるこの世の惨殺事件をつくり出した。

 「慰安婦」とは第二次世界大戦中に日本軍人に性的サービスを提供し、性奴隷となることを強いられた女性を指す。第二次世界大戦中、日本軍は70万人に達した各国の女性に従軍「慰安婦」となることを強制し、それに劣情の発散を供させた。

 これらの証拠が確実で揺るぎなく、すでに定義付けされた残虐きわまる歴史的暴行に直面し、日本の右翼勢力はなんと矢も盾もたまらず跳び出して「反撃」し、いわゆる交渉、抗議を提起し、この機に再度歴史を否定し、侵略を美化し、判決を覆えそうとした。

 日本の安倍晋三首相は更に9日、自民党前総裁で、前衆議院議長の河野洋平氏を公然と批判し、「慰安婦問題で信念に欠けたやり方を講じることは、後世の人々にたいへん大きな禍根を残すだろう。」と非難した。

 安倍内閣は発足後、当時の内閣官房長官・河野洋平氏が1993年に発表した慰安婦問題を認める「河野談話」を再評価すると何度も表明している。

 これは日本の右翼勢力による歴史歪曲のもう一つのでたらめなやり口であり、その意図は軍国主義の侵略の罪行を美化し、世界の反ファシズムの勝利の成果と戦後の国際秩序に挑戦することにある。

 長期にわたり、中国は旧日本軍の南京大虐殺と強制慰安婦の歴史資料に対して合理的且つ厳格に整理・統計してきた。今回は関連の貴重な真実の歴史資料を世界記憶遺産リストに登録申請したが、これは歴史をしっかりと記憶し、平和を大切にし、人類の尊厳を守り、このような罪行の再演を防止するためなのだ。

  日本は一方では厚かましくも中国の固有の領土である釣魚島を世界自然遺産に登録申請することを試み、ユネスコに神風特攻隊員の遺書を提出して世界記憶リストに加えるよう求め、一方ではまた中国の正当な登録申請の振る舞いに抗議しており、これは完全に国際社会を愚弄し、歴史問題で「急速に逆行する」という拙劣な表現といえる。

 旧日本軍強制慰安婦の暴行の史実を否定する日本政府のやり方はまた、その米欧の同盟国の強烈な非難も受けている。

 米国下院は2007年7月に第121号決議を採択し、日本政府に「明確でまちがいのない手段」により、旧日本軍がかつて第二次世界大戦中にアジアなどの国の多くの女性を性奴隷として強制連行したことを正式に認め、この行為について謝罪を示しまた「歴史的責任」を果たすよう促した。

 米国議会は今年1月に採択した2014会計年度歳出法案の中で「慰安婦」問題を付け加え、ケリー国務長官に日本政府が第121号決議で言及した問題を解決するよう「奨励」するよう促した。 

 今年4月、米国のオバマ大統領がソウルを訪問した時、次のように述べた。「日本の戦時中の性奴隷制度は人権を深刻に侵害した行為で、被害者の声に耳を傾けるべきです」、「第二次世界大戦前と戦中におびただしい数の女性が性奴隷となるのを強いられた際、日本帝国軍隊が彼女たちに対して犯した罪行を記録する必要があります。」

 昨年末、欧州議会も決議案を採択し、当時の日本政府による強制慰安婦への参与は、「20世紀の最大規模の人身売買行為の一つ」で、人権保障に関する国際条約に違反すると非難した。

 去年9月、国連の旧日本軍従軍慰安婦問題のゲイ特別報告官は、日本の教科書が慰安婦問題に二度と言及しないことに対して「ひどく関心をもつ」と表明し、「過去に触れることがなければ、日本は不満に満ちあふれた社会になるだろう。」と警告した。

 日本が「正常な国」との地位を取り戻し、また海外での軍事行動の自由権を擁することを企てる安倍政権にとって、いかなる日本侵略の罪行に関する史実を振り返って反省し、人類が戦争の残酷さを忘れてはいけないと警戒し、正義と良知を守る行動は、いずれも安倍政府の敏感な神経に触れ、彼らの歴史を覆そうとする「交渉」と「抗議」を引き起こしている。

 しかし、この軍国主義思想の継続的な災いをすることは、きっと自ら国際の主流社会と手を切らせ、日本の国の未来と人民の福祉に尽きることのない禍根をうずめさせるだろう。

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