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北朝鮮はなぜ、突然日本に傾いたのか
2014年 6月 13日8:59 / 提供:新華経済
北朝鮮
 中国の軍事系メディア・西陸網は11日、先月の日本側との協議で拉致問題の全面調査に同意したことなどを挙げ「なぜ北朝鮮が突然日本に傾いたのか」とする評論記事を掲載した。

 日朝関係をめぐっては、北朝鮮が拉致問題の全面調査に同意し、日本側も一部の制裁を解除する意向を示したほか、岸田文雄外相が3日に閣僚として初めて安倍晋三首相が北朝鮮を訪問する可能性について言及した。訪問が実現すれば、小泉純一郎元首相が2002年と04年に訪朝して以来となる。

 日本は、小泉元首相が拉致問題などで北朝鮮から大きな譲歩を獲得して以降、近年は成果がない状態。「誤った歴史観」によって中韓との関係改善が短期的に不可能となった今、日米同盟の維持以外に可能性がある唯一の外交成果は日朝関係改善だ。

 また、北朝鮮にとって最も恨めしいのは敵視政策をとる米韓であり、日本ではない。しかも日本からは朝鮮総連による外貨収入が期待できる。制裁の呪縛を打ち破るには、日本が唯一の頼みなのだ。

 この「2つの唯一」によって、日朝関係が大きく前進する可能性が生まれ、成果が出る前から互いに「制裁一部解除」、「拉致問題の調査同意」というカードを切った。

 安倍首相は長期政権を実現するために、特に外交面において「小泉路線」を進んでいる。対中、対米関係の端々に「小泉時代」の面影がみられるが、それが今回の日朝関係の変化にも影響しているのだ。今、ローリスク・ハイリターンの「北朝鮮カード」を切った安倍首相は、「小泉路線」を進む決心をより強めたと言えそうだ。