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アジアをかき乱すことを決意した安倍氏
2014年 5月 29日17:08 / 提供:人民網日本語版

 日本の安倍首相は最近のインタビューで「中越両国が共に領有権を主張する水域で一方的に採掘を行い、緊張をエスカレートさせた」と中国を非難し、「日本は力または脅しによる現状変更を容認しない」と主張した。事実を顧みない安倍氏のこの発言を受けて、中国外交部(外務省)報道官は「天下の乱れることをひたすら待ち望んでいる」のだと指摘した。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 「天下の乱れることをひたすら待ち望んでいる」との言葉で安倍氏の魂胆を形容するのは、実に適切だ。安倍氏は首相に返り咲いて以来、外交面で「積極的平和主義」の推進を標榜し続けている。この1年余りに安倍氏が一体何をし、何を話してきたのかを振り返れば、彼のいわゆる「積極的平和主義」に残っているのは「積極的」だけであり、「平和」はないことに難なく気づく。

 安倍氏は就任早々から「積極的」に平和憲法の改正、「専守防衛」の突破、集団的自衛権の行使容認に向けたムードづくり、自衛隊の国防軍化、「武器輸出三原則」の破棄を推し進め、「侵略定義未定論」と「靖国神社参拝肯定論」を相次いでぶち上げ、「積極的」に靖国神社を参拝し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で「妥協せず」の姿勢を度々示し、係争棚上げという中日間の共通認識を認めようとせず、釣魚島に対するいわゆる「施政権」の強化に腐心し、釣魚島情勢の緊張をエスカレートさせ続けてきた。

 安倍氏は就任以来、中日関係立て直しのためになんら具体的意義を持つ積極的な努力をしていないばかりか、反対に釣魚島をめぐる中日間の争いで再三火に油を注ぎ、中日関係に新たな障害を設けてきた。安倍氏は中日関係をかき乱し、東中国海と北東アジアをかき乱す方面で、すこぶる「積極的」だと言える。

 東中国海をかき乱し終えたら、休む間もなく南中国海をかき乱す。安倍氏は就任後間もなくから、すでに繰り返し東南アジア諸国を訪問。その度に南中国海問題を「お決まりの議題」とし、中国の顔に泥を塗り、東南アジア諸国との関係を近づけるための「足がかり」としてきた。安倍氏は東南アジア諸国首脳との接触時、「南中国海の現状の力による変更という中国の動き」に「懸念」を表明し、「南中国海問題で一体性を保つ」よう魂胆をもってASEANを煽動してきた。

 本来、南中国海問題は南中国海の島や礁の領有権と海洋境界画定をめぐる中国と南中国海周辺のいくつかの国の争いであり、当事国双方の直接交渉を通じて解決すべき問題であり、日本には全く関係がない。日本の提起したいわゆる「航行の自由」は全く問題でなく、全くの牽強付会だ。安倍氏が南中国海問題を自らの目的に利用し、東南アジアの一部の国と中国との関係に水を差し、フィリピンなどのいわゆる海上対処能力の強化を支援しているのは、実質的には南中国海をかき乱すことで、どさくさにまぎれて利益を得、東南アジア諸国の手を借りて中国を牽制することを望んでいるのだ。

 安倍氏の「積極的平和主義」は、「積極的」に「価値観外交」を弄し、「民主的安全保障ダイアモンド」戦略を練り、あちこちで「積極的」に「中国の脅威」を誇張し、対中「包囲網」を築いていることにも表れている。安倍氏は米国の「アジア太平洋リバランス」戦略に足並みを揃える面でも全力を尽くしている。安倍氏は自らに「積極的平和主義」の仮面をかぶせる一方で、実際に行っているのは日本軍国主義の復活、戦後国際秩序への挑戦、平和憲法の束縛の破棄、中日関係の破壊、地域の緊張激化という悪事だ。その中で安倍氏にとって中国は「仮想敵」となり、米国は当面不可欠の「後ろ盾」となっている。

 安倍氏は日本政界と日米関係の「裏ルール」を心得ているのかも知れない。日本の首相は中国に近づくと通常在任期間が短くなり、反対に米国に近づくと長くなるというものだ。この「こつ」を見抜いた安倍氏は、米国の「お先棒」をしっかりと担ぐため、中日関係や地域の平和も構っていられなくなったのだろう。

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