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安倍政権、集団的自衛権解禁の狙いとは?
2014年 5月 24日10:44 / 提供:チャイナネット

共同通信社の報道によると、安倍晋三首相の憲法解釈見直しによる集団的自衛権の解禁に対して、日本人の51.3%が反対の態度を持っており、賛成者は前回調査時より3.5ポイント低下の34.5%となった。回答者の約79.3%は、政府は同問題について十分に議論すべきとした。

参戦を目的とする改憲

集団的自衛権を解禁し、これを行使することで、本国が攻撃を受けた場合のみ武力を使用するという制限がなくなり、同盟国が攻撃を受けた場合、さらには敵国が自国を攻撃していない場合も武力を行使できるようになる。

日本は敗戦後の1946年に、新たな日本国憲法を制定した。憲法の解釈は集団的自衛権の行使を禁じており、個別的自衛権(自国が攻撃を受けた場合に武力を行使)のみを認めている。

安倍政権は抽象的な表現により、集団的自衛権が適用される国を規定し、防衛のために自衛隊を出動させる条件を、「日本と密接な関係にある国が武力行使を受けた場合」まで引き下げた。

この曖昧な境界線により、日本は米国が攻撃を受けた場合に参戦し援護できるほか、米国以外のオーストラリア、東南アジア諸国などが攻撃を受けた場合も戦争に介入し、攻撃に共同対応できるようになる。

通常の国は集団的自衛権を持つが、日本は第二次世界大戦を仕掛けた国の一つであり、「戦争を放棄し、軍隊を保有しない」という憲法9条の規定に基づき集団的自衛権を放棄した。

改憲に向けた口実探し

歴史的・地政学的な原因により、日本の軍事安全に関する政策の動向は、日本の発展のみならず、周辺地域および世界の安全情勢に影響を及ぼすため、アジアの隣国と国際社会から注目を浴びている。

清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏は、「安倍首相の最終目標は改憲だ。しかし自民党は現在、衆参両院で十分な議席数を確保しておらず、短期間内には実現できない。自民党は衆議院で60%以上の議席を確保しているため、2016年7月の参議院選で3分の2以上の議席を確保すれば、改憲が可能になる」と指摘した。

劉氏は、「国際安全情勢には2008年以降に重大な変化が生じている。中国の国力が強化され、軍需が拡大している。日本は中国を仮想敵国とし、中国に対抗している。安倍首相が一気に集団的自衛権を解禁した場合、日本の軍事力強化と海外での軍事力行使の口実が設けられる。またこれは2016年の徹底的な改憲の布石となる」と分析した。

国内からの反発

安倍首相が2012年末に再任を果たすと、日本国内の「右傾化」勢力がうごめき出し、「右傾化」が日増しに深刻化している。また安倍首相の勝手な憲法解釈は、日本の各界から強い反発を受けている。日本国内の識者は、安倍首相の行為を違憲と見ている。主に野党や社会団体が反対声明を発表し、集会を開くことで、安倍政権の集団的自衛権の解禁の意図と手法に疑問を呈している。

劉氏は、「安倍政権が憲法解釈を見直し、集団的自衛権を解禁する手法は、憲法を形骸化させる行為であり、日本の発展に暗い影を落とす。日本は隣国との軍事的な対抗を起こしやすくなり、衝突を起こすこともありうる。これはアジア太平洋の発展に不確定要素をもたらすだろう。安倍政権は戦後の平和憲法を覆すため、政治の右傾化を進めている。今年下半期も、集団的自衛権の問題が注目され、議論が展開される。日本情勢に注目が必要だ」と指摘した。

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