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駐日中国大使、中日関係の「重症」の原因を分析
2014年 5月 12日16:40 / 提供:チャイナネット

程永華駐日中国大使は9日、東京で開かれた第9回日中懇話会に出席した際に、現在の駐日関係を「重症患者」と表現し、病状を観察し、病の原因を分析した上で、双方は病を根本から治す処方箋を模索するべきだと主張した。

程大使は「中日関係の困難と活路」と題する演説の中で、「現在の中日関係は、国交正常化以来で最も困難な局面に陥っている。症状は、領土・歴史・軍事安全などの重なる問題に同時に見られており、複雑にからみ合って互いに作用している。日本政府は釣魚島(日本名・尖閣諸島)を不法に国有化した。現状を変えようとしたのは中国ではなく日本で、中国はただ日本の不法行為に対して、必要な反応をせざるを得ないだけだ。安倍首相は第二次世界大戦のA級戦犯が祀られている靖国神社を参拝した。中国側は、安倍首相が自ら対話の門を閉ざしたと判断した。これは対話を故意に避けているのではない。拳により人を殴りながら、対話を要請することは誰にもできない」と指摘した。

程大使は、「中日関係の直接的な原因は、敏感な問題に対する日本側の間違った措置にある。病の根は、中国の発展に対する日本の認識に生じている深刻な偏見で、戦略的信頼関係が著しく不足している。日本ではこのほど、中国に関するマイナスの認識と論調が増えているが、これは日本の対中政策をけん制と警戒、対抗と強硬姿勢の方向に導き、有害かつ危険な結果を生みやすい」と分析した。

程大使は、現在の中日関係の複雑な症状とその原因について分析した後、「双方は共に処方箋を模索する必要がある。表面だけではなく根本から治療し、現在の症状だけではなく、長期的な症状も治療する必要がある」と主張し、四つの具体的な考えを示した。(1)歴史、釣魚島問題などの重大な政治障害を適切に処理する。これは両国関係を改善するため必要不可欠だ。(2)危機管理を徹底し、偶発的な武力衝突を防止する。これは両国関係が守らなければならない限界ラインだ。(3)実務的な協力を維持・推進する。これは両国関係を維持するため必要な保障だ。(4)互いの位置付けを正確に認識し、積極的な政策の基調を確認する。これは両国関係を軌道に戻す根本的な要求だ。

程大使は出席した日本の知識界の関係者に対して、「中国の発展は、日本を含む世界により多くの発展のチャンスをもたらし続ける。中国は平和発展の道を弛みなく歩み続け、世界の平和・安定の維持に貢献し続ける。中国は周辺諸国と共に歩む友好的な政策を維持する。日本は中国の重要な隣国であり、中国の周辺政策の適用対象である。中国は少数の人および勢力の間違った言行を、平和を愛する多くの日本人と分けて考えており、多くの日本人と友好的に交流し、日本の各界と交流と提携を展開することを願っている。当然ながら、中国は周辺で揉め事を起こさないが、穏便に済ますため国家の主権、安全の利益、民族の尊厳を犠牲にし、外部勢力の悪意ある挑発による悪い結果を受け入れることはない」と強調した。

程氏は最後に、日中懇話会、新しい日中関係を考える研究者の会などの団体に所属する日本各界の識者に対して、「中日のウィンウィンの理念を貫き、多数の人々の有益な意見を集め、両国関係の改善のために積極的な要素とエネルギーを蓄積するべきだ」と呼びかけた。