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過去15年の中日韓協力は予想を超える発展
2014年 4月 27日11:12 / 提供:人民網日本語版

 「第9回中日韓賢人会議(中国名:東北アジア名人会)」が21-22日の両日、江蘇省揚州市で開催された。「東北アジア名人会」は、中日韓3国のメディア各社が発起、設立した、重要な非公式国際交流ルートである。中国国務院の曾培炎元副総理、日本の福田康夫元首相、韓国のイ・ホング元総理の3人が代表を務め、3カ国の各界著名人が参加した。

 私の外交生活は、中日韓3国間の協力と密接な関わりを持っている。1998年から2001年まで、私は7代目の駐日中国大使を務め、中日韓協力の発展プロセスを目の当たりにした。前世期紀末、東アジア諸国はアジア金融危機に見舞われ、中日韓とASEAN各国は「ASEAN +3」枠組のもと、危機から脱出する道を懸命に模索した。3カ国の指導者は1999年、「ASEAN +3」会期中に朝食会を開催し、3カ国協力の道を歩き始めた。これは、歴史の必然であると同時に、極めて現実的な選択の結果だった。  

 あれから15年、中日韓協力は、私の予想をはるかに上回るスピードで発展した。3カ国協力は、東アジアの協力とアジア経済の一体化にとって重要な原動力となった。3カ国のGDP合計はアジア全体の70%を占め、「ASEAN+3」協力は、アジア協力体制の主要ルートとして、重要な役割を果たしている。アジアの自由貿易体制、地域内の金融セーフティネット、アジア投融資システムの構築?確立はいずれも、3カ国協力という力強い基盤なしには実現し得ない。  

 その一方で、過去15年に及ぶ中日韓協力が、山あり谷ありの紆余曲折を経てきたことは、私の予想していた通りだった。3カ国協力は、最小単位での多国間関係であることから、2国間関係の変動による影響をもろに受けやすい。日本は数年前から、領土主権、歴史、軍事安全など一連の問題において、ネガティブな態度をとり続けている。これにより、ハイスピードで進んできた中日韓協力という特急列車のレール上に障害物が生じ、リスクが増大、多くの人々が3カ国協力の未来に対して懸念を抱いた。 

 中国の李克強総理は、先日開催されたボアオ(博鰲)フォーラムにおいて、「利益共同体?運命共同体・責任共同体をアジアに構築する」という重要構想を打ち出した。フォーラムに出席した各国は、この提案を大いに歓迎し、「これは、中国が自らを大きな責任を担う大国であると認識し、アジアの共同発展を推進する役割を自ら担う覚悟を表明するものだ」と評価した。  

 中日韓協力のベースは、二国間関係にある。正しい歴史観を持たず、歴史的事実を尊重?承認することなしに、今日の北東アジアの平和?発展のチャンスを捉えることは不可能だ。敏感な問題を適切に処理せず、隣国との関係を改善するために適切な措置を講じなければ、隣国の信用を得る、あるいは北東アジア地域の未来に続く協力発展の道を切り開くことなど、とうてい不可能だ。  

 「中日韓賢人会議」は2008年、3カ国の指導者が年次総会を開催することなどを提唱し、3カ国の政府がそれを受け入れ、実施の運びとなった。今回の会議では、再び「共同提案」が発表された。同提案では、次の項目が具体的目標として掲げられた。

 ○中日韓自由貿易協定締結の早期実現

 ○北東アジア各国の緊張関係緩和

 ○利益を共有し、責任を共同で分担する、北東アジア運命共同体の建設加速

 ○3カ国による経済?金融?エネルギーなど各分野での情報共有と互恵協力の推進

 すでに青写真は完成した。3カ国が共通目標をしっかり認識し、共同努力に向けた決心と覚悟と自信を持ちさえすれば、北東アジア協力の新たな境地に到達できるに違いない。

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