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経済観察:安倍政権は「財政の断崖」に瀕し
2014年 4月 2日15:16 / 提供:新華網日本語

 【新華社北京4月2日】4月1日、日本は正式に消費税を5%から8%まで引き上げる。しかし分析はこのように表明している。消費税引き上げは日本の経済成長を支える国内消費水準を引き伸ばすだけでなく、日本政府の負債が山をなした財政状況の緩和に対してもただの焼け石に水だ。その上貨物貿易収支と経常項目収支は絶えまなく赤字を更新し、安倍政権は大股で「財政の断崖」に踏み出している。

 日本の安倍晋三首相が2012年末に政権についた後、強力に推進してきた「アベノミクス」は、日本経済に一年に渡る暫時の繁栄をもたらした。大幅な金融緩和政策は日本円を急速に切り下げさせ、輸出主導型の日本経済に巨大なプラスをもたらし、主な大手企業がすばらしい利益データを獲得しただけでなく、東京の株式市場も半数近く急上昇した。20年にも渡る低迷な日本経済は強心剤1本の注射後に再び活気を取り戻すかのようだ。

 しかし、「成功するも失敗するも蕭何しだい」で、円の切り下げは輸出企業に巨大なボーナスをもたらしたと同時に、絶えず上昇する輸入コストも日本経済に重圧に堪え難くさせた。2011年の「3.11」東日本大震災による福島原子力発電所の漏洩事故を引き起こした後、エネルギー輸入に対する需要の激増は日本の貿易状況を悪くさせる一方で、経常項目収支も好成績を作りにくくなる。日本 財務省の発表したデータによると、2月の日本の貨物貿易は20ヶ月連続して赤字を更新し、赤字額も8003億円の最高を更新した。これと同時に、1月の日本の海外の貨物、サービスや投資などとの取引状況を反映する経常項目赤字も史上最高の1兆589億円に達している。

 ダブル赤字は安倍政権に警戒を持たせるべきかもしれない。事実上、「アベノミクス」が最大の効力を発揮した2013年の当年に、価格の要素を取り除いた後、円の切り下げも輸出の増加をもたらさず、逆に2%近く低下した。絶え間なく拡大し続けたダブル赤字額は日本政府の外債の圧力を増大させ、日本政府の財政上に収入が支出にたりないというまずい状況をエスカレートさせた。円の切り下げによりもたらした優劣はどちらのほうが重要か、円の切り下げ政策を続ける価値があるかどうかを改めて考慮することは、安倍政権の目前に置かれた一大問題なのだ。

 もう一方で、日本の高齢者人口の割合がますます増加するに伴い、日本政府の高齢者の扶養、医療など方面における社会保障の負担は日益しに重くなっている。2013年、日本の公共債務の国内総生産(GDP)に占める割合は225%に達し、長期にわたり国民の家庭貯蓄により購入 消化されてきた日本国債も、日本の家計の金融資産残高が政府債務の規模に近づいたため、継続的な大量発行は難しくなる。

 「アベノミクス」が財政支出の拡大を求めるため、消費税の引き上げを通して国庫赤字の穴埋めをすることは、現在最も実行可能な構想となった。よって、4月1日、安倍政権は計画通りに消費税の引き上げを実行した。

 採決されたばかりの2014年度予算案によると、日本政府は今年101兆円の支出見通しだが、税金収入はだたの50兆円のみだという。別のアナリストの計算では、日本の消費税率を15%ぐらいまで引き上げて、安倍政府がようやく財政バランスの実現ができるとのことだ。

 日本政府は消費税引き上げという購買力を明らかに弱めるやり方をいとわず、財政収入の増加と引き換えており、これも正に日本政府の財政の危急状況をはっきりと示した。みずほ総合研究所はこのようにみなしている。日本が財政上の収支バランスを再建するには、必ず財政支出を大幅に削減し、また高水準な成長を実現させねばならない。安倍政府がいかに財政支出を削減するかを切実に考慮しなければ、「財政の断崖」は本当に遠くはないだろう。

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