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安倍政権の誤った歴史観と政治右傾化の動き
2014年 2月 17日11:14 / 提供:人民網日本語版

歴史は鏡だ。人々は過去の記憶の経験の中から衣冠を正し、興替を知ることができる。実は歴史にはさらに深いレベルの鏡の意義がある。すなわち、過去の史実に対する解釈を通じて、現代人の是非の考え方を観察し、現代の政治屋の歴史観からその政治実践活動を観察することだ。(文:高洪・中国社会科学院日本研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

周知のように安倍首相とその追随者は第2次大戦まで日本軍部ファシズム政権が力の限り鼓吹した「皇国史観」を信奉している。安倍氏本人について言えば、『大東亜戦争の総括』のでっち上げへの参画、首相に返り咲いた後の「731細菌部隊」と同じ番号の戦闘機に軍服姿で乗るパフォーマンス、戦前の政治スローガンである「天皇陛下万歳」の先頭を切っての使用、そしてA級戦犯を祀る靖国神社の公然たる参拝といった行為によって、領土争いで隣国と対立し、歴史問題で大逆行する頑なな立場がとっくに示されている。

2に、安倍氏は「愛国主義」の旗の下、極端な民族主義の排外傾向を利用して政権を安定させている。様々な民族主義の中で、「領土民族主義」が最も強大な影響力と感化力を持つことは隠し立てするに及ばない。歴史的に比較的孤立し、資源に乏しい日本のような島国にとってはなおさらだ。日本の隣国との領土争いの悪影響は中日関係、韓日関係、露日関係といった二国間関係を害するだけでなく、中国敵視、韓朝排斥、ロシア嫌悪という日本国内の良からぬ民族感情の拡大と蔓延を助長し、愛国の名の下の「大和民族優越論」を形成しつつある。

第3に、安倍氏は「積極的平和主義」を利用して戦後日本が歩んできた平和的発展の道を変えようとしている。安倍氏の口にする「積極的平和主義」が、日本の軍事力強化戦略に対する平和憲法の制約を積極的、主導的に解除することに他ならず、このために安倍氏は中国の軍事的脅威を誇張することで自らの軍拡を覆い隠す必要があり、東アジアの緊張の助けを借りて自衛隊という楯を対外戦争を行える鋭利な刀に改造しようとしていることを、世界の人々ははっきりと理解している。まさにこうした変化のために、中国、韓国など歴史上日本の侵略による災いをさんざんこうむった国々は意思疎通を保ち、立場の一致を図って共同で正義と人類の良識を守り、第2次大戦の成果と戦後国際秩序を守り、地域の平和・安定の大局を守らざるを得ないのだ。

だが、平和維持に向けた東アジア諸国の努力が安倍政権から積極的な反応を得るのは困難だ。安倍氏の見解では、歴史に正義や是非はなく、「侵略」でさえ定義や基準がないからだ。安倍氏とその追随者が歴史の是非を故意に混淆する根本的理由は、歴史の是非を混同したうえで、歴史の改竄、再軍国主義化という目的を達成するためだ。日本が近代史上発動した大東亜戦争、太平洋戦争の「正義性」を美化し、さらには日本社会の政治環境を悪化させた後に平和憲法を改正し、憲法の平和条項を取り除くことで軍拡・強国化を気兼ねなく推し進めるというのが、その虫の良い計算だ。安倍氏の推進する強国戦略が東アジア近隣国を脅かすだけでなく、最終的には国際社会全体に危害を及ぼすことは、見識ある人なら誰もが分かる。

われわれは歴史認識という根本的是非の問題に立ち返ろう。歴史に真摯に向き合って初めて、本当に未来があるからだ。人類の歴史に是非はあるのか?文明社会に「侵略と反侵略」を線引きする統一の基準はあるのか?安倍氏とその追随者以外の、世界の全ての国家、民族、個人の答えはいずれも「イエス」だろう。さもなくば正義、公正、人権、自由、民主といった価値は立脚点を失う。

もし安倍政権が根本的に改めようとしないのなら、東アジアに安らかな日が訪れないだけでなく、世界も安寧を失う。だが長期的に見れば、安倍氏の逆行が中国の平和的発展のプロセスを中断させることはできないし、文明と繁栄へと最終的に向かう世界の趨勢を変えることもできない。(編集NA)