Home > ニュース > 国際評論  > 中国外交、新たな局面切り開く
中国外交、新たな局面切り開く
2013年 12月 17日15:22 / 提供:人民網日本語版

 まもなく終わろうとしている2013年を振り返ると、中国の新たな中央指導グループが外交面で手腕を振るい、局面の構築に力を尽くし、うまく駒を進め、新指導部による新外交が良好な滑り出しを実現したことがわかる。(文:国際問題専門家・華益文。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 「両会」(全国人民代表大会・全国政治協商会議)が終わるとすぐに、習近平主席は就任後初の外国訪問に乗り出し、最初の訪問国には近隣のロシアを選んだ。習主席は9日間で66回の活動に参加し、国家元首や政界の要人32人と会談・会見し、20回余りのスピーチと重要講話を発表し、文化とパブリック・ディプロマシーにかかわる10回以上の活動に出席した。

 中国は、外交における指導者の統率的役割を十分に発揮させ、多国間と二国間の外交を結合させ、外国訪問と外国からの来訪を結合させ、BRICS協力体制やG20、上海協力機構、APEC、東アジアサミットなどの多国間プラットホームを利用して、中国の声を世界に伝えた。多国間会議への出席と二国間訪問の実施を結合するだけではなく、二国間訪問を利用した訪問国と周辺国の指導者との合同会議も実施した。習主席はカリブ海のトリニダード・トバゴ訪問時、ジャマイカなどカリブ8カ国の指導者と会議を行い、大きな成果を上げた。

 中国の新たな中央指導グループは今年すでに、100人以上の外国の指導者と会談・接触し、数十カ国の指導者が中国を訪問し、ロシア・インド・モンゴルの3国の首相による同日訪中、米国・英国・フランスの指導者による立て続けの訪中など、外国指導者による訪中が集中する現象も起こった。

 二国間外交から多国間外交にいたるまで、中国の外交は、新たな呼びかけを行うことや先手を打つことを重視している。

 中国の指導者は外国訪問中、「シルクロード経済ベルト」や「ミャンマー・中国・インド・バングラデシュ経済回廊」、「海上シルクロード」などの戦略的で地域をまたいだ新たな構想を打ち出している。とりわけ注目すべきなのは、中米両国の関係において、中国側が自ら、中米新型大国関係の構築を米国に呼びかけ、米国がこれを受け入れ、両国の元首がアネンバーグ別荘の会談でこれについて重要な共同認識を達成したことである。このことは、中国の実力と国際的影響力の高まりにつれて、中国の外交の主導性と統率性、発言権が増していることを示している。

 中国は現在、中国の特色ある大国外交の道を積極的に模索している。中国共産党第18回全国代表大会においては「平和、発展、協力、ウィンウィン」という外交の新理念が打ち出された。中国の指導者はさらに、「中国の夢」と結びつけ、「永続的で平和的な共同繁栄という世界の夢」という理念を打ち出した。発展途上国と周辺国との関係処理に対しては、中国の指導者は、義(道徳)と利(利益)の正確な判断を堅持することを打ち出した。これらの外交の新理論と新理念の提唱は、国際社会に新鮮な空気を与え、中国のソフトパワーの影響を高めるものとなった。

 中国は、国内的には改革の難題克服のカギとなる時期に直面し、国際的には多様で複雑な局面に直面している。中国は、国内と国外との二つの大局に統一的に対処していかなければならない。習近平氏は幾度にもわたって、トップレベルデザインによって中長期的な対外活動に対する戦略的な計画を行うと同時に、ボトムラインを想定し、国際的な問題を良い方向に進める努力をしながらも最悪の場合に備えなければならないと強調している。中国は今年年初以来、国家海洋委員会を設立し、海上管制部門を統合して海警局を設立し、さらに国家安全委員会を設立するという戦略的な手を繰り出している。これらは、トップレベルデザインとボトムライン想定との具体的な体現となる。

 新たな年を迎えるにあたって、中国が今年形成した外交の新局面は、中国の今後の外交戦略に堅固な土台を築くものとなった。

関連記事