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中英協力の三大戦略効果
2013年 12月 4日10:41 / 提供:人民網日本語版

梁啓超先生はかつて中国には3つの地位があると定義した。中国の中国、アジアの中国、世界の中国だ。戦後英国も英国の英国、欧州の英国、英連邦の英国という3つの地位を反映した外交を積極的に展開してきた。つまり中英関係には3×3=9つのモデルがある。中英、中国と西側、世界という中英関係の3つの大きな組み合わせは、外交関係の対等性を強調して初めて現実的意義を持つ。この3つの大きな組み合わせは、中英協力には3つの大きな戦略効果があることを示している。(文:王義◆(◆は木へんに危)・チャハル学会シニアフェロー、中国人民大学EU研究センター副主任。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

第1に、相互補完協力のモデル。産業革命の発祥地である英国はインフラが老朽化し、産業の空洞化が深刻で、4分の3が金融サービス業だ。一方中国は新型産業化国で、高速鉄道や原発などインフラ分野で後発組としての強みを持つ。英国が昨年末に発表したインフラ計画は、インフラ投資を年330億ポンド増額する方針を打ち出した。だが債務危機と金融危機の圧力に苦しむ中、無い袖は振れないのは明らかであり、中国としては加熱する国内インフラ投資を海外に向ける千載一遇のチャンスだ。

英国はその発達した金融サービス業と国際金融センターとしての地位から、中国の人民元の国際化、金融サービス業の発展にとって天然の協力パートナーだ。ロンドン証券取引所に上場した中国企業は51社、株式時価総額は300億ドル近くに達する。中国人民銀行とイングランド銀行は今年6月、2000億元の通貨スワップ協定を締結した。これは中国と主要先進国との間の初の通貨スワップ協定だ。英国の人民元オフショア取引センターとしての輪郭が現れ始めた。

第2に、中国と西側の協力の模範。キャメロン英首相は訪中を前に、英国は西側世界最大の中国の支持者になるとして、中国・EU間の新たな自由貿易協定締結を呼びかけた。キャメロン首相の姿勢は時と実践による検証が必要だが、すでに一部は現実による裏付けを得ている。欧州債務危機の下、EU諸国は需要が縮小し、輸入が減り、保護貿易主義傾向が激化した。だが中英貿易はこうした困難な状況の下でも、安定的成長を維持した。中国側の統計によると、2012年の中英の製品貿易は前年比7.5%増の631億ドルに達した。このうち中国の対英輸出は4.9%増の463億ドル、英国からの輸入は15.5%増の168億ドルで、増加幅はEUの主要貿易相手国の中で最大だった。

さらに大きな目玉が投資だ。2012年は「中国対英投資年」と言える。概算統計によると、2012年に中国が英国で行ったM&A(資本参加を含む)は10件で、総額は80億ドルに上った。これは2009-2011年の総額を上回り、強い模範作用とブレークスルー的意義を持つものが複数ある。これは実力ある中国企業が金融センターとしての英国の優位性を利用して英国で資金調達・上場を図り、世界の資本、情報、物流センターとしての英国の優位性を利用してM&Aのチャンスを積極的に探り、英国を欧州さらには世界市場開拓の跳躍台にできることを物語っている。中国・西側協力の先導者としての中英が、政治関係による曲折や妨害を受けていないことは、大変貴重だ。

第3に、グローバル協力の模範。大英帝国は真に全世界を治めた国だ。「米国人が何をするかを見るには、まず英国人が何を言うかを聞け」と言う。米英の特殊な関係および英国人のグローバルな知恵に鑑み、英国との協力は中国にとって欧州、英連邦、さらには世界に進出するための足がかりとなる。キャメロン首相は「一部の国はグローバル化にブロックを構築しているが、英国は自由貿易の始祖として、新たな、より高い水準のグローバル化に中国が参加することを積極的に支持する」と表明した。歴史的に英語が世界共通語となったことや、国際金融センターとしてのロンドンの優位性のために、英国は国際ルール、国際標準、大口商品の価格決定において極めて大きな影響力を持ち、次世代情報技術、先進材料、太陽光パネル産業、ハイテクサービスなどの分野で明らかな優勢にあり、中国にとっては新たなグローバル化競争に参加するうえで最良の協力パートナーの1つだ。

以前何が起きたかに関わらず、上述の3重の戦略効果に鑑み、中英協力は大勢の赴くところ、人心の向かうところだ。中英共に再びチャンスを逃して、後悔を残すべきではない。(編集NA)