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日本の元空将「中日海・空の実力には10年の差」
2013年 9月 1日10:17 / 提供:チャイナネット

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資料写真

香港紙の9月1日版は、「日本自衛隊元航空幕僚長田母神俊雄氏独占インタビュー 中日海空軍力には10年の差」を発表。文章では、中日が釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題を発端に戦火を交えれば、両国の「海空一体戦」の勝利はどちらの手に?米国は本当に日本に肩入れするか?といった疑問を投げかけた。

◇解放軍は人数こそ多いが装備は日本に及ばない

田母神氏は、中国人民解放軍は数の上からは日本の自衛隊の10倍の兵力を有するが、現段階の中国の輸送力では数万人規模の陸軍を同時輸送するのは不可能。中国が輸送艦すべてを導入したとしても、一度に輸送できる兵力は約3000人程度。日本の自衛隊は十分迎撃できるという。

中国が上陸作戦を展開するには、圧倒的な海空戦闘力が必要だ。それはつまり近代的な制空権と制海権だ。中国海軍の兵力は日本海上自衛隊の5倍。1000艘以上の艦艇を保有しているが、その多くが沿岸警備用の小型艦艇。海洋作戦が展開可能な駆逐艦と護衛艦は約200艘で、日本の1.5倍保有するが、これらのほとんどが旧式の艦艇で、現在の遠洋作戦能力は遠く海上自衛隊に及ばない。

中国空軍の兵士数は日本の航空自衛隊の10倍で、日本の戦闘機は260機であるのに対して、中国は1300機以上を保有するが、多くは旧式戦闘機。もし航空自衛隊のF-2、F−15戦闘機に匹敵する戦闘機をいくつか選ぶとすれば、殲10(J−10)を代表とする約500機だ。残念なことに、これらの戦闘機は整備が行き届いておらず、飛行状態が良くない。

また、中国本土から沖縄まで1000キロ離れているため、戦闘機が沖縄まで飛行し、対空戦を繰り広げ本土に帰還するのは不可能だ。戦闘機が5分間対空戦を繰り広げるには通常1時間の飛行に必要な燃料を要する。つまり、帰還の燃料が尽きてしまう。よって、遠距離空中戦で制空権を得る決め手は空母艦隊の強力な下支えがあるか否かだ。

◇日本の自衛隊は海空で依然優位

中国の空母「遼寧」が服役した。この他にも空母を建造しているという情報があるが、中日の軍力争いに逆転が生じることはあるかと尋ねると、田母神氏は、中国がもし本当に空母を保有すれば、この状況は変わるという。しかし、空母は定期的な船渠のメンテナンスが必要で、これを怠れば使用できなくなる。空母は特殊な船艦だと田母神氏はいう。

一般的に、空母は交互に修理するために3隻以上の同じ型の空母がなければ維持できないとされる。目下、中国にはソ連の「ヴァリャーグ」号を改造した空母「遼寧」しかなく、これも装備が古く訓練をするには難しい状態にある。実戦ともなれば話にならない。この他、空母自身の防御及び空母編隊全体の攻防情報指揮システムの統合など、中国は到底できない。今後10年以内に実戦でこれらができるかどうかは未知数だ。

通常戦力でいうなれば、目下日本の海空軍備力の質の優位性は中国軍備力の数の優位性を撃退することが可能で、中国の空母は短期的に見ると戦闘力にはならない。日本の陸空海自衛隊の訓練は堅実で、中国の兵士の能力と訓練強度は遥かに自衛隊に及ばない。この他に、日本の自衛隊は駐日米軍と定期的な近代的海空実戦演習を行っており、経験は中国軍隊より豊富だ。また、日本には100機の巡回機と遠距離早期警戒レーダーがあり、海空戦で最も重要な「目」の役割を果たす。近代化作戦において、中国に制空権と制海権の優位性はない。

中国空軍が現在行っている訓練は自衛隊の30年前の訓練である。「右旋回」、「上昇」といった飛行指示を無線で地上からパイロットに伝えているが、こうした訓練では近代的訓練を受けた自衛隊を打ち負かすことはできない。一旦電波を妨害されれば、無線に噪音が入り、指示ははっきり聞こえなくなり、戦闘不可能に陥る。現在の中国空軍のレベルはこの程度なのだ。

田母神氏は退役してから5年になるため、一部の内情を明かすことが許される。日本の自衛隊は偵察衛星の映像から、偵察機や情報収集機を送り、絶えず中国軍の動向を探ることが可能だ。電話や無線などの通信を監視することで、中国空軍が行う訓練も把握することができる。

日本の航空自衛隊には、高度なスキルを持ち合わせたパイロットで編成された飛行指導チームがいる。彼らは他国の戦闘機が採用する戦闘方法を徹底的に研究しており、飛行訓練においては敵の戦闘機役を果たす。第一線で活躍する若手パイロット相手に空中戦を展開し、終了後は若手パイロットに具体的な指導を行う。当然、中国の戦闘機の戦闘方法も研究と分析を行っている。日本の航空自衛隊のこうした技術と演習によって形成された優位性は中国空軍より遥かに勝るものである。そう断言できるのも、田母神氏は幕僚長を勤めていた頃にかつて北京を訪れており、中国空軍の飛行訓練時間と訓練内容が遠く日本に及んでいないという情報を得ているからである。

「空」だけでなく、「陸・海」自衛隊も同じく、とりわけ対潜作戦能力を絶えず向上させている。中国の各種対潜艦は噪音が大きいのに対して、日本の対潜艦は静音性に優れ、長時間の深潜航能力は相当高く、相手の対潜艦に発見されることなく長時間の追跡が可能だ。難易度の高い専門的な訓練も繰り返しており、中国の対潜艦は目的地にたどり着くまでに撃沈されているだろう。

◇中日の軍事衝突 米国は極力回避か

元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、「米国が日本を保護することが米国の利益にかなうと判断するならば、米国は日本に手を貸すだろう。仮に米国の利益を損ねると予想した場合、日米安保は効力を発しない」と指摘した。中日が釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で軍事衝突に至った場合、田母神氏は米国が即座に介入することはあり得ないとし、最終的には自衛隊自らの軍事力により中国を駆逐する必要があるとした。

そのため米国は、中日の直接的な軍事衝突の回避を願っている。中国と日本は同じく米国債を保有しており、中国の方が多く保有している。米国が日本を援助しないと表明した場合、米国はその日米同盟の信用を失い、結果的に全世界で威信を失うことにつながる。しかし米国が日本に手を貸した場合、中国はすべての米国債を手放すと宣言でき、米国の経済界の混乱を引き起こすことになる。また中米は、それぞれの核攻撃の抑止力を行使できる。中国の核兵器の実力は米国に及ばないが、中国がすべての犠牲を顧みなければ、米国が日本を援助するため中国と開戦するかは不明になる。まさにそのために、米国は釣魚島海域での活動を停止するよう、中国に圧力をかけている。米国は同時に日本にも圧力をかけ、日本が極端な行動に出ないことを願っている。

当然ながら中国が積極的に軍拡に取り組み、軍事力を日増しに増強する中、今後10年間は中日の軍事力の駆け引きにとって重要な時期となる。万一に備えるため、自衛隊は自らの配備を整え、軍事力をさらに強化する必要がある。日本は11年ぶりに国防費を増加し、安倍内閣は来年も国防予算を拡大することになる。釣魚島の防衛を強化するため、田母神氏は次のプランを提案した。まず陸上自衛隊の3つの師団(約3万人)を宮古島と石垣島に常駐させ、護衛艦を5−6隻、戦闘機飛行隊を3組(約60機)集結させる。当然ながらそのためには、直ちに港湾・空港施設を整えなければならない。日本がそうすれば、中国が侵入することは絶対にない。中国はそれにより被る損失が、利益を上回ることを理解しているからだ。