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国民の悲痛で空母配備の野心を隠す 安倍政権の下心
2013年 8月 7日11:02 / 提供:チャイナネット
日本海上自衛隊最大の艦艇「いずも」

日本海上自衛隊最大の艦艇「いずも」が6日、神奈川県横浜市で進水式を実施した。いずもは22DDH型の1番艦で、これまで最大級だった、基準排水量が1万3500トンの「ひゅうが」型ヘリ搭載駆逐艦を50メートル上回る。進水式が開かれた当日は、広島の原爆投下68周年記念日であった。平和の祈りと戦争の武器を結び付けたことで、国際社会の注目が集まっている。解放軍報が伝えた。

最大の駆逐艦か、真の空母か?

いずも(DDH-183)は全長が248メートル、幅が38メートル、排水量が1万9500トン、満載排水量が2万7000トンに達する、海上自衛隊最大の艦艇だ。資料によると、同艦の建造には計1139億円が費やされ、2015年3月に就役する予定だ。

いずもはMV-22オスプレイを搭載可能で、最多で14機のヘリコプターを搭載できる。また同時に5機のヘリコプターを発着艦させることができ、多くのメディアから「ヘリ空母」と称されている。同艦は3基のファランクス(近接防御システム)、2基のRAM(近接防空ミサイル)を搭載している。同艦は前部から艦尾までつながる甲板を持つため、その外観は空母に似ている。さらに改造により、F-35B戦闘機を搭載できるようになる。米グローバルセキュリティは、22DDHはトン数、構造、機能のすべてが、軽空母の特徴に合致すると指摘した。

しかし第二次世界大戦終了後、日本は敗戦国として空母を保有できなくなった。防衛省は、いずもが固定翼機を載せる設備を搭載していないことを口実に、同艦を「攻撃的な空母」ではなく、長期的に海上防衛任務を遂行できる「海上の基地」、もしくはヘリ搭載駆逐艦と呼んでいる。この言い分に従えば、いずもは紛れもなく世界最大の駆逐艦だ。これまで最大であった米アーレイ・バーク級は、排水量が1万トンにも達していない。

軍事専門家は、「いずもの就役後、駆逐艦の名義によって配備された2隻のひゅうが型ヘリ搭載駆逐艦を加え、日本は3隻の準空母を持つことになる。F-35戦闘機を搭載した場合、3隻は真の空母になる」と分析した。

命名と進水、政治的意義がある

トン数や構造の他に、いずもの命名と進水の時期も注目を集めていた。

いずもは旧日本海軍の装甲巡洋艦の名称で、日露戦争と中国に対する侵略戦争で任務を遂行したことがある。日本の中国侵略の期間中、いずもは旧日本海軍の中国方面艦隊の旗艦で、1945年に呉海軍工場で米軍に撃沈された。

軍事科学院日本問題専門家の袁楊氏は、「いずもは島根県の地名で、多くの民間の言い伝えがここから伝わっている。かつての艦艇の名称を用いたことは、多くの国家の海軍の習慣的な方法だ。しかしかつて日露戦争と中国に対する侵略戦争に参加した艦艇の船名を使用し、広島に原爆が投下された68周年記念日に進水式を実施したことに、政治的な意義が含まれないはずがない」と語った。

袁氏は、「日本はこれにより海外に平和の意志を示そうとしたが、これが周辺諸国に及ぼす影響も理解しているはずだ。日本は多くの場合だだっ子に似ており、小賢しい真似をして大人を挑発する。大人から相手にされなければムシャクシャし、大人が本気で相手をすればいじめられたと思う。このようなだだっ子じみた手法は、日本の戦略になろうとしている」と指摘した。

中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、「日本が広島への原爆投下から68周年の記念日に、準空母を浸水させたことには深い意味合いがある。安倍晋三首相は国民の悲痛を利用し、軍備を再び整える軍国主義の野心を支持させようとした。米国は軍事費を削減しており、アジア太平洋地域の軍事配備で日本に依存しなければならない。これは安倍首相が思いのままに軍事力を発展させる契機となっている」と分析した。