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安倍首相に聞く 歴史と外交は切り離せるか
2013年 7月 13日9:55 / 提供:チャイナネット

 「新華毎日電訊」は7月11日、国際評論欄「好望角」に徐剣梅氏による「歴史と外交は切り離せるか」と題した文章を掲載した。以下はその全文。

 尊厳あるどの国も、最大限に歴史に誇りを感じることを望んでいる。

 問題は、歴史には良いものと悪いものがあり、全ての歴史が誇れるわけではないことである。ドイツはゲーテとシラーに誇りを持つが、ヒトラーとユダヤ人虐殺に誇りを持ったりはしない。米国はリンカーンとジョブス氏に誇りを持つが、黒人奴隷制度とベトナム戦争に誇りを持ったりはしない。南アフリカは真実と和解を求めたマンデラに誇りを持つが、長く血生臭いアパルトヘイトに誇りを持ったりはしない。

 冷静になってみると、日本には誇りを持てる人物と出来事が多くある。紫式部の『源氏物語』、「夜中の四時に目がさめた。海棠の花は眠っていなかった」と記した川端康成、山口百恵のすがすがしい歌声、アニメ『鉄腕アトム』や『美少女戦士セーラームーン』、19人のノーベル賞受賞者、中国北西部で14年間にわたって植樹・砂漠緑化に取り組んだ遠山正瑛氏など、挙げればきりがない。

 残念なことに、日本の安倍晋三首相は、日本が中国全面侵略戦争を発動した7月7日という日に、侵略の歴史に関する認識に言及した際、「日本にも誇れる歴史がある。互いに尊重していくことが最も重要だ」と発言した。また、9日のTBSの番組での党首討論で、歴史認識問題と外交には違いがあり、中国は歴史認識問題を外交に持ち出していると非難した。

 実は、第二次世界大戦の敗戦国である日本が、今日のドイツの半分でも歴史に対する認識を持つことができれば、歴史認識問題が日本と隣国の関係にこれほど影響することはなかった。不幸なことに、安倍首相をはじめとする日本の右翼勢力は、ドイツと正反対の道を歩み、侵略の歴史を歪曲・否定する行動をやめることなく、それを「誇り」とまで公然と宣言し、侵略された国にこの「誇り」を尊重するように求めた。これは実に自己中心的で、常識では考えられないほどの隣国を軽視した行為である。

一国の指導者がどの歴史を誇りとするかは、外交政策に大きく左右する。安倍首相らが少しでも歴史の真相と人道主義に忠実であり、国際コンセンサスに合った歴史認識を持っていれば、中日、日韓の外交関係は今日のようになっていなかったのではないか。

韓国の「明日新聞」がこのほど評論したように、安倍首相を含む一部の日本の政治家は極右主義を懸命に煽り立て、これは北東アジアの平和的発展の最大の足かせとなっている。日本が過去の誤った歴史について和解の方法を見つけていないことが、国家間の矛盾と不和の主な原因である。

日本の中韓との外交に影響を及ぼした最大の問題は、歴史認識問題と言える。国際外交の常態と異なるこの現象は、安倍首相を含む日本の右翼政治家の歴史に対する誤った認識によって生じたものである。

どの国であっても、自身の誤った歴史に誇りを持った場合、世の人のこの国が世界にもたらした醜悪、残虐、深い苦難に対する記憶をますます強烈に呼び起こすだけである。