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“中日韓米”がスマートテレビの覇権争い、アップルはいまだ方向性描けず
2013年 6月 27日9:48 / 提供:


 スマートテレビの発展により、中国のテレビ業界は混戦時代に突入した。サムスン、楽視、聯想(レノボ)のほか、グーグル、アップル、小米など虎視眈々と機会を狙う新勢力が、スマートテレビに熱い視線を向けている。東方財富網が伝えた。

 以前のテレビ業界の競争は、テレビ業界内部の中日韓3カ国企業の綱引きであったが、スマートテレビは、競争を中日韓米の4カ国間のテレビ業界、インターネット、ITなど複数業界に跨っての競争となっている。

 テレビ業界で、インターネット時代の「専門分野に応じて分業、産業同士が協調」というモデルがあてはめられるのに応じて、「コア部品+完成品」という産業チェーンの展開は、一部の企業にとって負担となっている。

 世界初の第10世代液晶生産ラインを設置したかつての日本のテレビ大手は、世界景気の悪化により巨額の赤字を出している。

 楽視のスーパーテレビは1年足らずの時間で大々的にデビューしたが、その背景には、自社のコンテンツプラットホームと得意先のEコマースプラットホームを利用し、富士康(フォックスコン)、シャープ、クアルコムなどハードウエアメーカーのリソースを統合したという、インターネット時代の特徴が認められる。スマートフォン、スマートセットトップボックスを手掛けた小米科技からも、スマートテレビ参入の情報が流れている。

 産業協調、統合によるリソース最適化に伴い、テレビ産業参入のハードルは取り除かれたことが伺える。インターネット企業は、取引先のリソースを利用し、他社と協調する形でこの分野に参入している。

  サムスン電子の「フルサプライチェーン」強みは、インターネット企業の前ではもはや強みではなくなった。製造リソースの長期的な過剰状態に伴い、ハードウエア製造企業は産業のリーダーにはなりにくくなっている。

 テレビ市場最大シェアを誇るテレビメーカーとIT、インターネットによる、スマートテレビをめぐる競争は始まったばかりである。海信(ハイセンス)、TCL、サムスン、ソニーは自社を製造業者ととらえ、レノボ、AOCのようなIT企業をライバル視していない。しかし、グーグル、楽視、小米のようなインターネット企業は、大きな力を見せている。スマートSTBやスマートテレビは、グーグル、楽視などのインターネット企業に対して拡張されたルートである。

 とはいえ、テレビのスマート時代は、「コンテンツに強い」インターネット企業が独占するわけではない。今年に入ってから、4Kはテレビ業界で、スマートテレビ以外の新しい話題となっている。これは、テレビは携帯電話、コンピュータと異なり、「ソフトウエア・ハードウエアがどちらも強力でなければならない」ものだということを示している。 

  個人的に楽しむ消費財であるスマホより、スマートテレビは家族揃って楽しむエンターテイメント・プラットフォームで、耐用消費財である。より重要なのは、インターネット企業が、テレビは家族間の感情のやり取りの受け皿になっているという点を理解していないことだ。

 楽視もレノボも、参入間近の小米も、スマートテレビを狙っているが、彼らのスマートテレビの理解は、実際上、「群盲象をなでる」に止まっている。インターネット時代における、テレビの家庭での位置づけを理解せず、企業自身の強みに立って、短期間での拡大を求めているに過ぎない。

 アップルからスマートテレビの事業展開情報が出て、すでに2年以上が経過した。まだ発売されていない理由として、ハードウエア製造の思考を持つインターネット企業・アップルが、「スマートテレビ」とはいったい何なのか、はっきりと構想が描けていないことが挙げられる。