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東京のフリーマーケットに見た日本の「もったいない」精神
2013年 5月 28日9:08 / 提供:人民網日本語版

 完全に現代化された東京では現在、露天市場を目にすることはほとんどなく、買い物といえば都民は皆、スーパーやショッピングセンターに足を向ける。一方、公園などで定期的に開催されるフリーマーケットなどは、その面白さから人気を博している。人民網が報じた。

 多くの都市と同様、東京も無許可で街中に露店を出すことはできない。一方、フリーマーケットなどは許可を受けて開催されるため問題ない。東京の代代木公園や大久保公園、新宿中央公園などでは、定期的にフリーマーケットが開催される。うち高い知名度を誇る新宿中央公園のフリーマーケットは、悪天候などで中止にならない限り、1カ月に1回開催。今月25日にも、公園内に200店舗以上が整然と並べられ、古着やアクセサリーなどが販売。多くの都民でにぎわった。

 同日のフリーマーケットは午前10時から午後3時までの5時間開催。フリーマーケットが開催される前、ネットや新聞などのメディアを通じて、宣伝が実施された。出店者は指定のサイトで登録手続きを行い、1店舗当たり、管理費として2500円を納めなければならない。フリーマーケットに、固定の設備はなく、コンクリートの上にチョークで範囲が指定されるだけの正真正銘の「露店」だ。1店舗当たりの面積は約5平方メートルで、出店者はマットなどを持参し、そこに売りたい商品を並べる。出店しているほとんどが若い女性や主婦たち。一方、販売されているのは、いらなくなった洋服や靴、バッグ、アクセサリーなどで、中古品専門の店もある。そのほとんどが、中古であるものの、8割方まだ新しく、買ったものの一度も使ったことがないという商品もある。

 午前10時、フリーマーケットが始まると、多くの都民が集まり始め、公園内は熱気に包まれ始めた。フリーマーケットの人気の秘密はなんといっても「掘り出し物」。1万円以上する服が300円、3000円以上の木制工芸品が500円などで販売されている。東京では、ラーメン1杯が700-900円、ミネラルウォーター1本が約100円であることを考えると、300円はまさにお値打ち価格だ。

  さらに、フリーマーケットの別の魅力は「値段交渉」。出店者も、客の値段交渉に、いやな顔することなく応じている。フリーマーケットの常連客は、買い物のテクニックを熟知しており、掘り出し物を見つけるためには、早めに来なければいけないことを知っている。なぜなら、フリーマーケットに「在庫」はなく、「現品限り」だからだ。一方、できるだけ安いものを買いたいのであれば、終了間際に行くのがコツ。なぜなら、出店者が、「店じまい大セール」を始め、多くの店が服1着100円均一で販売するからだ。中には50円均一という店まである。友人と一緒に店を出しているというある出店者は、客のいない時間にはビールを飲みながら、友人との会話を楽しんでいた。出店理由について尋ねると、「販売している服や靴は全部自分のもの。多すぎて家に置く場所がなくなったけど、捨てるのももったいない。だから、フリーマーケットで販売している。お金儲けではなく、ただ面白いから」という。

 同出店者の言葉は、多くの出店者の出店理由を代表していると言えるだろう。出店者の多くが友人や子供を連れて出店し、1日「店長」の気分を味わうことで、経営のおもしろみをも体験することができる。また、親にとっては、子供に家計を維持することの苦労を教える機会ともなる。一方、買う側にとっては、安いものを買う時の楽しみだけでなく、掘り出し物を見つけた時の快感や自分と同じ趣味を持つ人との交流を楽しむ機会ともなる。さらに、フリーマーケットは、「物を無駄にしない」という考えを推奨し、エコライフを奨励する社会活動ともなっている。(編集KN)