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米紙:陸自配置に島民反対 日中情勢緊張で
2013年 5月 4日9:50 / 提供:チャイナネット

日本政府が中国に対しより強硬で大胆な防衛姿勢をとるなか、部隊とレーダー基地の島配置計画が島民数百人の反発に遭う可能性が出てきた。1日付の米軍事専門紙ディフェンスニュース(電子版)が伝えた。

この配置は2015年までに与那国島の中心に100〜200人の陸上自衛隊員が常駐する兵営を建設し、東端に沿岸監視施設と移動式警戒管制レーダー基地を建設するなど配備は順調に進んでいた。09年6月に双方が交渉を始めた際、地元経済により多くの資金をもたらすと島民は防衛省に与那国島への部隊常駐を要請、双方は合意に至った。同島は日本本土より台湾に近く、1600人が在住する。

状況が変化したのは今年3月20日だった。外間守吉町長が突然土地所有者への「迷惑料」として防衛省に10億円を要求した。

1週間後、小野寺五典防衛相が部隊配備計画を見直すと圧力をかけ、全国の注目が集まった。防衛省の大野高明報道官は「防衛省は島民と前向きに交渉するが、進展がなければ、部隊の常駐を含め計画を見直すしかない」と述べた。

今回の騒動は日本国内の小さなもめごとのようだが、単なる金銭問題ではない。

オーストラリア国立大学太平洋アジア研究学院歴史学科ガヴァン・マコーマック教授は、「最近の日中の緊張情勢激化が島民の賛否両論を招いた。衰退する経済への投資獲得を望む声もあれば、これまでほとんど目を向けられなかった島が中国の標的になる可能性があるという懸念の声もある」と指摘する。

08年時には多数の島民が部隊常駐を支持していた。当時の日中関係はわりとよかった。与那国島の北にある釣魚島の領有権を巡る両国の対立が深まるにつれ、島民は陸上自衛隊を歓迎しなくなった。

マコーマック教授は、「仮に中日で戦争が勃発すれば、与那国島は直接中国のミサイル攻撃の目標になり、すぐに壊滅する」とし、「この賛否両論で外間町長は窮地に陥った。最初は経済刺激の立場から島への陸上自衛隊配置を支持していたが、最近では反対の声が大きくなり、彼の再任に影響する可能性が出てきた」と指摘。

与那国島問題の象徴的意義と戦略的意義はいずれも非常に重要だ。昨年発足した安倍政権はわずか0.8%増だが11年ぶりに防衛費を増額した日本の政権だ。日本の列島線保護と中国の潜在的脅威を牽制する能力増強が安倍政権が今のところ優先的に考える戦略的重点となっている。