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歴史を無視した逆行 盲進する日本は「外交病」
2013年 4月 30日10:14 / 提供:チャイナネット

 『日本経済新聞』は4月21日付の記事で、『安倍外交、ハイペース』と題し、第2次安倍晋三内閣の外交政策について分析した。同日、麻生太郎副総理を含む閣僚3人が靖国神社を参拝し、安倍首相もまた、祭具を奉納している。その2日後の23日、168人の国会議員が靖国を集団参拝し、一方の安倍首相は衆院内閣委員会で、「村山談話」について、「そのまま継承するわけにはいかない」との考えを示した。「村山談話」とは、日本の植民地支配と侵略を認め、謝罪し、反省するものである。

 7年前、初めて政権の舞台に立った安倍首相は、時代に逆行するような歴史認識を披露したことで、面目を失った。その上、慰安婦問題を否定する発言をしたことで、当時のブッシュ大統領と米国会議員に謝罪するという事件まで巻き起こしている。それから7年後の今、アメリカの怖さを思い知った安倍首相は再び政権を握ると、今度は歴史問題で中国や韓国に対して「ハイペース」の挑発を繰り返すようになり、歴史を無視した逆行を続ける「謝罪しない」外交政策を堅持している。果たして、これが日本の国益にとってメリットとなる正しい行いなのだろうか。

 懲りずに盲進する日本、もはや過ちではなく一種の「病」

 日本のメディアでさえも、23日の靖国神社の集団参拝については、安倍内閣の外交政策に疑問を投げかけている。朝鮮半島の核問題をめぐる多国間協力への影響や、今後の北東アジアの経済・貿易関係への重大なダメージはさておくとしても、「日本政府のこのような国内の一部の感情を優先して近隣外交を顧みない行為は、米国にとっても信頼に足る同盟国とは言えない」と『朝日新聞』は苦言を呈している。

 信頼に値しない日本、安倍首相の「価値観外交」を信じるアジア諸国はない

 高速の上で逆行するよりもっと怖いのは、運転手が目隠しをしていることだ。

 靖国神社参拝について、中国と韓国が強く抗議しているにも関わらず、日本政府は「個人の意思」や「心の問題」と言った決まり文句を相変わらずくり返し、「抗議があったかは知らない」と知らんぷりを通している。その上、韓国の尹炳世(ユン?ヒョンセ)外相が4月末の訪日を取りやめたことについては、「日程はもともと決まっていなかった」と話している。

 このような異常な心理こそ、日本の「謝罪しない」外交の本質だ。そして、日本が憧れて止まない「良識ある国」になる資格がない理由もそこにある。

 「良識ある」人は、しっかりと目を開け、前を見て進む人である。「良識ある国」は、過去の歴史と現実を直視しなくてはいけない。しかし、歴史と現実を捻じ曲げ、一緒くたにしてしまうことはもはや、日本の政界で大きな勢力を持つ右翼の典型的な「病」である。一番不可解なのは、日本は心のうちでは、戦争に負け、アメリカに「去勢」されて国力が衰えたことや、ドル高の是正を目的とした「プラザ合意」がバブルの引き金となったことを恨んでいるにも関わらず、実際の行動では、アメリカに見放されることを恐れ、その反動としてアジアの隣国に刃を向けているということだ。米誌『フォーブス』は4月16日付のコラムで、「安倍及び前任の野田内閣が釣魚島(日本名:尖閣諸島)で絶えず騒動を起こすのは、米中の戦略的和解を阻止し、日本のアメリカの保護国としての地位を守ることが目的である」と指摘した。

 日本のこのような症状は、被害者が犯人に、必要以上の同情や連帯感、好意などをもってしまう「ストックホルム症候群」に似ているが、一つ違うのは日本が被害者になったことなど一度もないということ。そのため、結局は「日本の外交病」と名づけたほうがより的確ではないだろうか。

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