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東京裁判の否定は軍国主義の魂を呼び戻す行為
2013年 3月 17日10:45 / 提供:人民網日本語版

 日本の安倍晋三首相は12日の国会答弁で、東京裁判への疑問を公然と呈した。彼はA級戦犯について「戦勝国の判断に基づく罪名」であり、日本人が言い渡した罪名ではないと公言している。こうした論法は軍国主義の戦犯に対する判決を覆すための日本右翼の詭弁であり、昔からあるものだ。「勝てば官軍、負ければ賊軍」、東京裁判は「戦勝国の敗戦国に対する裁判」だとして、A級戦犯の存在を否認しようとするのがそのロジックであり、東京裁判を否定することで戦犯の罪名をすすぎ、日本の政治屋の靖国神社参拝の先払いをし、いわゆる「日本精神」を立て直すことがその目的だ。

 安倍氏が首相として国会でこのような発言をしたことで、これが日本の国家意志なのかどうかが強く注目される。靖国神社の春季例大祭を前にした今、今回の発言にはなおさらに言外の含みが感じられる。  

 ドイツ、日本、イタリアのファッショが発動した第2次世界大戦の戦火は40カ国近くに及び、世界の5人に4人が戦争の苦難に巻き込まれ、5000万人以上が命を落としたことを人々は覚えている。反ファシズム戦争に参戦した国々は47カ国に達した。これはファッショ枢軸国を除く当時の主権国家の70%以上だ。1945年8月8日、米ソ英仏は「ヨーロッパ枢軸国の主要戦争犯罪人の訴追と処罰に関する協定」に調印した。協定は平和に対する罪、戦争犯罪、人道に対する罪を犯した個人の戦争責任を追及しなければならないと規定。これに基づき、ナチスの主要戦犯23人に対する国際軍事裁判が1945年11月から1946年10月にかけてドイツ?ニュルンベルクで行われた。  

 同年8月14日、裕仁天皇と日本政府の受諾した「ポツダム宣言」は、捕虜虐待を含む戦争犯罪人に対して法律に基づく厳しい処罰を行うことを定めている。日本政府は1951年の「サンフランシスコ講和条約」で、極東国際軍事裁判の判決の受諾を明確に約束した。従って、日本は東京裁判の結果を受諾しなければならない。いわゆる日本人による裁判ではないとの口実で否定してはならない。

 東京裁判、すなわち極東国際軍事裁判はニュルンベルク裁判に続き、1946年5月から1948年11月に日本軍国主義の戦犯に対して行われた国際裁判だ。東京で行われたため、東京裁判とも呼ばれる。中国、米国、ソ連、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、ニュージーランド、フィリピン、インドの11カ国の裁判官が、日本の主要戦犯25人に判決を下し、東条英機などA級戦犯7人が絞首刑となった。  

 東京裁判は全世界の反ファシズム国家と反ファシズム人民による日本の戦犯に対する正義の裁判であり、戦後に日本が軍国主義を放棄し、平和的発展の道を歩むうえで、また、北東アジア地域の平和と安定を確保するうえで重要な役割を果たした。東京裁判は2年7カ月続き、開廷回数は818回、受理された証拠は4300件以上、419人が証人として出廷し、779人が書面で証言し、判決書は1213ページの長さに及んだ。インドのパール判事が日本の戦犯を弁護した以外、他の国々の裁判官はみな確かな事実と国際法に基づき日本の戦犯の罪を厳しく追及することに賛成した。  

 全体的に見て、東京裁判とニュルンベルク裁判は共に人類の正義が邪悪に対して行った公正な裁判であり、戦後の国際法と国際秩序の基礎を固めた。東京裁判は法的に、また政治原則としてすでに最終的な評価の定まったものであり、歴史?学術問題ではない。日本国憲法は「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と定めている。従って、日本の首相である安倍氏が東京裁判に疑問を呈したり否認したりすることは、外交問題を引き起すだけでなく、憲法違反の疑いもあるのだ。  

 一言で言えば、東京裁判の判決や評価を覆すことは許されない。日本は世界が安心できる釈明をしなければならない。安倍氏の無責任で魂胆のある発言が、世界の正義の人々に反対されるのは必至だ。歴史改竄を愚かにももくろむ者は、必ずや現実的な窮地に自らを陥れることになる。

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