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中国ではなぜ高い?世界の有名ブランド品
2012年 8月 18日17:42 / 提供:チャイナネット

 買い物目的の海外旅行が増え続けている。欧米のブランドショップは中国人観光客が必ず行くべき場所になっている。ブランド品を持ち帰られなければ、本当の海外旅行ではないといわれるほどだ。事実、ほとんどの有名ブランド品は中国国内でも購入可能なのに、なぜ中国の消費者はそんな遠くまで行って買うのだろうか。その原因を追究すると、国際的なブランド品は長い間、国内の販売価格が海外に比べ大幅に高額であることから、購入したい中国人はやむを得ず海外市場で購入するしかなかったからだと思われる。

ブランド品はなぜ海外のほうが安いのか

 有名ブランドシャネルのハンドバッグTimeless Classic Flapのフランスでの販売価格は3100ユーロ(約3839ドル)、中国国内では3.7万元(約5850ドル)でその差は34%。ルイヴィトンのバッグSpeedy 30は中国国内では6100元(約964ドル)、欧州の販売価格はたったの500ユーロ(約619ドル)でその差は36%。同じ品物が、場所が違うだけで、このように大幅な販売差額が発生する。どうりで中国の消費者は先を争って海外でブランド品の購入に走るわけだ。

 事実、ブランド品は中国国内では価格が高いだけでなく、ほとんど値引きもない。海外では、ブランドの値引きは通常よくあることだ。あるフランス在住の林さんは取材に答え、LV、Gucciなどのブランド品は、大きな祭日になるたびにセールを行い、ほとんどの品物は3-5割り引きの価格で買えるという。ヨーロッパでは、300ユーロ前後のGucciのバッグも多い。同じようなバッグが中国国内では5000元前後になる。海外よりも約50%も高い。中国では季節が過ぎると割引販売される。

 「中国のブランド品の価格は海外に比べかなり高額なので、海外で大量に有名ブランド品を購入する人が多い。」中国社会科学院 財経戦略研究院の依紹華副研究員によれば、中国人が海外でブランド品に使う金額は、ここ毎年世界トップだ。米ベインキャピタルが発表した「中国ブランド品市場研究」というレポートでは、2010年に中国人の海外ブランド品購入はのべ500億ドルに達している。これは中国国内購入の5倍近くで、中国は事実上ブランド品購入の世界最大国になっている。

税金とマーケティングが値段を引き上げる

 中国はこれまでの欧米諸国にとって変わり、ブランド品購入の主力になった。国際的な有名ブランドも次々と中国市場を重要視し始めている。海外に比べ、中国ではブランド品がこんなに高いのはなぜだろうか。

 ブランド品専門家で、財富品質研究院院長の周?博士は、取材に答え主に3つの原因が考えられると語った。まず、関税の問題。ブランド品の関税が中国国内の価格差となっている。品物によっては本体よりも税金のほうが高い。貴金属素材が使われた腕時計は、少なくとも1万元、高ければ数十万元するが、これに30%の税金が科せられると、価格差はかなりのものになってしまう。次に販売流通経費だ。このコストは営業コストに含まれ、また流通費用もある。売り場の賃貸料やその他の管理費用もある。そしてマーケティング費用だ。国際的な有名ブランドグループの年次報告書を研究すると、基本的にその費用に占めるマーケティング費用は非常に大きい。製品コストよりも高いこともある。

 「各種税金にさまざまな経費が追加されて最終的な販売価格を押し上げているのが、根本的な原因である。」依氏はこう語る。中国がブランド品にかけているかなり高額な輸入税政策により税率は6.4%−25%だ。だが、関税以外にもブランド品には国内販売に増値税、消?税、営業税などがかかり、合計するとかなりの負担となる。こうして最終販売価格は輸入時のCIFの2/3高くなる。エスティローダーのアイクリームを例に取ると、CIFは175元、輸入税率10%、消費税率30%、輸入にかかった費用を足すと輸入完了時には274.5元になり、CIFより100元近く高くなる。国内流通経費とさらに5%の営業税、17%の増値税、都市保護権節税などに広告宣伝費が加算され、直営店での最終販売価格は540元前後となる。

税金の徴収範囲を調整し、関税を下げる

 地球規模で世界経済が低迷する中、欧米の主要経済大国でも経済不振が続いており、ブランド品の販売も下降傾向にある。中国を含むアジア太平洋地域の販売成長もやや下がり気味だ。とはいっても、国際的な有名ブランドは依然として中国の販売価格を下げようとしない。なかには反対に欧州の販売価格を上げて価格差を縮めようとする会社もある。

 これについて周?院長は、このようにするのは中国の消費者に金を使わせようとしているからだという。中国人に国内国外で大金を使わせる。聞こえがいい価格差縮小というのも、彼らの市場戦略だ。また、金科玉条のように為替レートを持ち出しているが、これらは本当の理由ではない。

 ブランド品の国内外の巨大な価格差について、消費者の国内でのブランド品購入の消費を減らすべきか。依氏は、まずブランド品の税収範囲を調整し、関税を適宜引き下げる。そして国内の徴収制度を見直し、消費税を統一し、営業税を免税、各種税金を引き下げる。このほか、中国国内の企業に海外ブランド品の買収を奨励し、その製品デザインやさまざまな国内の要求で、ブランドの広告費用や輸入手続などの諸費用を減少する。初期利益を引き下げ、ブランド品の小売価格を徐々に国際的な基準にリンクさせていくべきと語った。