Home > ニュース > 国際評論  > 東アジアの「サイバー戦争」勃発はすでにSFではない
東アジアの「サイバー戦争」勃発はすでにSFではない
2012年 6月 14日9:58 / 提供:人民網日本語版

中東で猛威を振るうコンピュータウイルス「Flame」は、サイバー戦争がもはやSF映画の中の出来事ではなく、すでに現実世界で起きていることを人々に認識させた。東アジアではまだスーパーウイルス蔓延の情報は聞かれないが、米日の引き起こすサイバー兵器軍拡競争はひそかに始まっており、「サイバー戦争」は一触即発の状況にあるのかもしれない。「日本新華僑報」が11日付で報じた。

 コンピュータウイルス「Flame」は中東の多くの国々のネットワークを焼き焦がし、おびただしい数のコンピュータがスーパーウイルスに感染し、標的型サイバー攻撃によって重要機関多数のネットワークが麻痺した。

 今年5月末にロシアのネットセキュリティ専門家がスーパーウイルス「Flame」のベールを暴いて以来、「サイバー兵器」に関する話題が再び注目されるようになり、あっという間に各国で「サイバー戦争」に関する報道や論説が溢れた。軍事専門家はより単刀直入に「グローバル・サイバー戦争は全く新たな段階に入った」と指摘した。

 米軍は早くも今世紀初めに、先進技術を備えた巨大なサイバー部隊の創設に着手した。2002年12月、米海軍は他に先駆けて海軍ネットワーク戦司令部を設置。海軍艦隊情報戦センター、海軍ネットワーク・宇宙作戦司令部、海軍コンピュータネットワーク防衛タスクフォースの指揮を統合した。その後、空軍と陸軍もサイバー部隊を創設した。2010年5月、米軍は陸海空軍の全サイバー部隊の軍事行動を統合的に調整するサイバー司令部を創設した。

 米国はサイバー軍の主要任務は政府や軍のネットワークを敵の攻撃から守る防御にあると自称している。だが実際には早くから敵国に対して積極的にサイバー攻撃を仕掛けてきた。イランが長年の制裁と封鎖にも屈さないのを見て、オバマ大統領はイランに対するサイバー戦争の発動を指令した。「オリンピック・ゲーム」という暗号名のこの計画で、米国はイラン・ナタンズの核施設のコンピュータシステムにコンピュータウイルスを送り込み、情報を窃取したうえ、システムの制御を奪った。2008年にウイルス攻撃は効を奏し始め、イランの核計画は著しく遅れた。しかもコンピュータウイルス「スタックスネット」を利用したこのサイバー攻撃は現在もまだ続いている形跡がある。

 米国は軍事予算は削減されたが、サイバー技術への拠出は増加している。米軍の発表によるとサイバーセキュリティ・技術予算は2010年にはわずか1億5000万ドルだったが、2012年には34億ドルに増えている。少し前に米国は特殊作戦グローバルネットワークの構築にも着手。このネットワークをアジア、アフリカにまで延ばすことも計画している。米国防高等研究計画局は新型のサイバー攻撃手段を開発するため、すでに複数の計画を始動している。

 現在米国は軍事戦略の中心をアジアへシフトしている。これに続くのは兵器、軍事力の配備転換だけではなく、アジアに「サイバー戦争の嵐」ももたらされるだろう。「Flame」事件は「日本がサイバー兵器の開発に拍車をかけている」との今年初めの読売新聞の大スクープも思い起こさせる。米国の最も主要な軍事同盟国である日本の「ウイルス製造」は断じて単独の行為ではなく、その背後には必ず巨大な秘密が隠されている。

 日本は2005年の中期防衛大綱でサイバー部隊の創設を計画し、2008年3月26日に正式に設置した。2013年末にはサイバー攻撃の最新情報の収集、シミュレーション環境下でのサイバー攻撃訓練、サイバー攻撃対処能力の向上を担う、100人規模の「サイバー空間防衛隊」も新設する。

 警戒すべきは、日本政府がサイバー攻撃の開発に拍車をかけるとともに、あらゆる手を尽くして法的根拠を探し求め、法理上の根拠においてサイバー戦争に道を開こうとしていることだ。こうした計画を通じて、将来日本はサイバー空間で他に先駆けて「平和憲法」の制約を打破し、他国と「サイバー戦争」を繰り広げる恐れがある。日本は自らのサイバー部隊の整備を加速するのみならず、関係国との連携も企てている。

 中東で猛威を振るうコンピュータウイルス「Flame」は、サイバー戦争がもはやSF映画の中の出来事ではなく、すでに現実世界で起きていることを人々に認識させた。現在東アジアではまだスーパーウイルス蔓延の情報は聞かれないが、米日の引き起こすサイバー兵器軍拡競争はひそかに始まっている、戦争の硝煙は当面はまだ上がらないだろうが、「サイバー戦争」は一触即発の状況にあるのかもしれない。(蒋豊)
(編集NA)