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日本の「アジア派」との交流を強化すべき
2012年 4月 16日18:16 / 提供:チャイナネット

 

文=中国社会科学院栄誉学部委員 馮昭奎

日本は明治維新以降、「脱亜入欧(後進世界であるアジアを脱し、ヨーロッパ列強の一員となる)」ことを唱え、戦後はアメリカに占領され「親米派」の政治家は長らく、日本政治の主流だった。しかし同時に、日本にはアジア重視を主張する政治家や学者(以下、「アジア派」)も絶えず出現しており、石橋湛山や田中角栄、大平正芳、鳩山由紀夫、加藤弘一、谷口誠、森田実などがその代表である。

このような「アジア派」の政治家の共通する特徴としては、比較的強いアジアの共通認識を持っており、アジア各国が「アジア共同のファミリー」となることや、「東アジア共同体」となることを主張する。東アジアの文化や価値観に造詣が深く、中日乃至東アジア地域の連携を促進することに対し、現実的な精神と強い気迫を持っており、具体的でマクロ的な連携構想を示すことができる。

今年は中日国交正常化40周年であり、このまたとない好機に中日関係を改善することは、日本の「アジア派」政治家の切実な願いである。中日関係の発展は両国の国にとっても、人々にとっても利益のあることであり、具体的で実務的な連携を通して、両国関係の発展を促進することを主張している。

中でも重視したい連携課題は、中日自由貿易協定(FTA)の促進・中国が原子力発電所を建設する上で、日本の教訓や経験、技術から学ぶこと▽福島などの被災地の建設が世界最大の生物化学拠点となること▽東アジア周辺海域における海賊船の取締の連携▽海洋汚染の抑制▽中日の食品安全▽食料品貿易分野における連携▽「東アジアエネルギー共同体」の実現▽「東アジア共同体」構想などである。 

アジア太平洋の地政学的な政治において、中国などのアジア諸国の心理的な共通認識とアメリカなどの西洋諸国に対する共通認識の軽重は、日本の政治家の外交政策に影響を与える主要素である。特に安全分野において、共同認識の差が広がれば広がるほど、戦略的な防衛意識は強まる。それこそ、今日の日本の主流である「親米派」と非主流の「アジア派」政治家の対中政策における違いとなっている根本的な要因だ。

野田内閣発足後、日本は釣魚島への事実的な支配を強化し、西南諸島の防衛を強化、アジア太平洋地域の仲間割れを望むアメリカの意図的な政策・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加入し、その上、南中国海にも介入しようと企んでいる。これらの行動はアジアの共通認識に欠けた「親米派」政治家が、中国の台頭を警戒する心理が日増しに強まっていることを示す。一方では、2011年に発生した東日本大震災以降、日本では中国などのアジア諸国の経済成長の力を借りて、復興や経済の活力を促進する流れが大きくなっている。中国とどのようにして安定したプラスの両国関係を形成するかは日本の対中外交において答えを出さなければいけない課題である。

このような状況の中で、日本の「アジア派」政治家との交流を深め、彼らを通して、より多くの有識者のアジアの共通認識を強化し、日本社会の平和主義の考えが弱体化することを防ぎ、特に「アジア派」の唱える東アジアを中心とする豊富なクロスボーダーの連携課題が実現可能なことを証明し、実際に実行に移すことは、中日両国間で既に共通認識に達している戦略的互恵関係にとって重要な意義を持つ。

 

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