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日本、朝鮮有事で米国より中国の重要性認識
2012年 3月 28日17:55 / 提供:チャイナネット

日本の内閣官房長官は今月23日、朝鮮の人工衛星打ち上げ予告を受け、例年4月に行われる「桜を見る会」を中止し、「対応に万全を期す」と述べた。

この対応に、中国国内では日本人は「わざとらしい」「大げさ」といった声がインターネットで聞かれた。確かに朝鮮が再び「打ち上げ」を発表して以来、日本国内はほぼ2日おきに動きがあり、朝鮮の衛星に関する情報が錯綜し、外から見ると少し大げさに騒いでいるようにみえる。ただ長年日本に在住している筆者としては、今回の件を笑い事ですませることはできない。その反応の中身を中国人はよく理解する必要がある。

まず、09年に朝鮮のミサイルが頭上を通過した日本としては、朝鮮のどんな動きも他より敏感になるのは認めるべきだ。特に日本は大地震を経験したばかりで、経済も政治も不安定な時期にある。朝鮮はその日本人の最も敏感なところをつこうとしている。当然、日本の「桜を見る会」中止は、外に同情を求め、自らの北東アジアにおける下り坂の局面を変えるためではあるが、危機に対応し、国民の安全を守る対策でもある。

第二に、朝鮮「有事」は中日の関係改善にチャンスとなる。日本はこれまでの朝鮮有事で、米日が「共に呼吸し、運命を共にする」ことが難しいとわかっている。3年前、朝鮮がミサイルを発射した際、米国は「朝鮮はミサイル発射に失敗、まったく脅威にはなっていない」と説明。今回も日本は米国の慎重な反応に不満を抱いている。それに比べ、「対立面」にある中国とのほうが、地域の「安定維持」に関してより多くの共通認識があると考えている。今月23日の6者協議の日韓首席代表協議では、影響力のある中国に局面の収拾を請うことで合意。日本の杉山晋輔首席代表は自ら直接北京に出向いて中国側の意見を聞きたいと述べた。 

長年続く朝鮮半島核問題はイデオロギーや単なる冷戦時代の2大戦略グループの対立ではなく、一種の地政的な勝負となってきていることを示している。

今日に北東アジアは雑居状態で、朝鮮と韓国という仲の悪い兄弟のほか、中国と日本、ロシアは少し遠いが、米国は「遠くの親戚」としてにらみをきかせている。こうした中で何事もないときには大喧嘩をするが、いざ火事が起きれば日頃どんなに仲が悪くても、運命共同体となる。それぞれがけんかしつつも、協力して火を消し止めなければならない。でなければ火の手は激しくなり、自分も危なくなる。遠く離れた米国は「対岸の火」を眺めているだけで、火に油を注ぎさえしなければいい。火を消し止める力があるものが信頼され、火元と関係が近いからといって誤解を招くわけではない。

中国はこうした情勢下にあって、地域の安全をリードするイメージが各国の目に入っている。近年中国と意見が合わない日本もその例外ではない。昨年金正日総書記の死去後に日本の野田首相が訪中した際、日本は中国のこうした重要性を痛感。今回の朝鮮「有事」でこうした認識がより強化されるだろう。(庚欣 日本JCC新日本研究所副所長)