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東日本大震災とこの1年の日本の巨大な変化(二)
2012年 3月 3日14:03 / 提供:人民網日本語版

■変化の経済モデル

 経済面では自動車、半導体、テレビなどの収益減や赤字転落がこの1年来の最大の変化だ。

 1つのシステム内の閉鎖的技術によって国際市場で優勢を獲得するモデルは、すでに限界に来たようだ。生産、市場面だけでなく、技術面でも「世界はフラットだ」。一企業が技術やブランドの独占によって高収益モデルを長期間維持することは不可能となっている。情報化時代の技術には様々なインターフェース、コンセプトの全く異なる技術とのインターフェースが必要だ。このような技術なしに国際市場で生き残ることは難しい。

 閉鎖的な日本のテレビ、半導体企業は投資が巨額で、回収は困難だ。また、日本製品は基本的に一企業グループ内の最高技術を集めたものであり、他の技術とのインターフェースは十分でない。孤立化は日本の家電企業の収益に大きな影響を与えている。自動車の部品調達先は系列企業が中心だ。東日本大震災とタイ洪水の後、日本の自動車企業はたちまち収益が悪化した。

日本の産業には新たなアップグレードが必要だ。現状を見ると日本は先端部品、レアマテリアル、新エネルギー、医療機器、社会インフラなどで技術的優位にある。完成品を最終目標とすることを止め、他国の企業への部品提供、または医療分野での市場開拓に専念すれば、収益は大いに期待できる。あるいは企業間提携の道を歩み、集団の強みで新興国の社会インフラ市場を獲得することも展望は明るい。

■変わらぬ政治不信

 日本企業の力を結集して国際市場を開拓するには、政治家が役割を発揮して、外交方針・路線を速やかに調整することが必要だ。だがアジア重視の外交方針を確立するには、なお長い時間を要する。

 震災後の日本経済の調整能力、行政改革など各方面から見て、民主党政権と自民党政権に余り大きな違いはない。日本国民は自民党に不信を抱いたが、今では民主党への不信が広がっている。国民の支持を欠く中、政治改革を行い、国民の政治不信を払拭するのは容易ではない。

 国の政治の力が落ちたことで、地方の政治家が顔を出す機会が自ずと増えた。大阪市長や名古屋市長は国民の目に政治の新星と映っている。地方経済の振興や地方政治の改革の成果は非常に限られているのに、国の政治改革に対する大阪市長や名古屋市長の発言は特殊な影響力を備えている。地方自治体の首長の言動への注目は、国の政治への国民の不信を別の側面から物語っている。

 市民生活、エネルギーの変化、企業の構造調整、地方自治体の首長の人気など各方面から見て、日本には現在巨大な変化が生じている。だがこの変化がどのような潮流を形成するのかはまだはっきりしないし、日本という国の今後の行方もよく見えてこない。