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中日国交正常化40周年をかき乱す日本の「右翼」
2012年 1月 12日11:28 / 提供:人民網日本語版

中日国交正常化40周年にあたる2012年の開始早々、中日関係は釣魚島という敏感な問題の試練に直面した。日本の地方議員4人が釣魚島上陸を強行したのだ。約1週間前には、野田佳彦首相が初の訪中を終えたばかりだった。メディアは彼らを「右翼分子」と位置づけた。

 2012年の中日関係がこのような形で幕を開けるとは誰も予想しなかっただろう。

 共同通信によると仲間均・石垣市議ら4人は1月2日夜に漁船で出港し、翌3日午前9時半に石垣市の北西約170キロの釣魚島に上陸した。

 中国政府は直ちに厳正な申し入れと抗議を行い、メディアも上陸者を「右翼」と呼んだ。右翼が再び中日関係と結びつけられた。

 右翼は日本独特の政治現象ではない。西側の政治には一般的に、右翼と左翼がある。右翼は保守思想やポピュリズム傾向を持ち、伝統的社会秩序や価値観を守る政治勢力または思想を指す。このため保守主義、保守派、右派とも呼ばれる。最も広義の右翼概念に従えば、日本の右翼には保守政党(自民党)、保守勢力(保守思想に従う組織)、ポピュリズムを宣揚する右翼・過激右翼組織(暴力団など)および個人が含まれる。

 ■政財界との複雑で入り組んだ関係

 戦後日本政治においては、保守勢力が常に優勢だった。保守勢力を大同団結した自民党の長期政権がそれを物語っている。歴代首相の中にも強い右翼保守思想を持つ政治家が少なくない。保守政党と保守勢力は右翼の「上層部」と言えるかもしれない。必要時には右翼組織を利用できる。左翼運動に対抗するため、保守政治家たちには常にイデオロギー上の盟友・右翼組織の存在があるのだ。

 だが特に1970年代以降、経済成長と社会福祉制度の整備に伴い、日本国内の政治対立は急激に減少した。財界人を含む保守勢力は少なくとも公には行動右翼との緊密な関係の維持を望まなくなった。暴力団との関係は官途に差し支えるし、より重要な点として、右翼組織と異なり権力と富を握る保守勢力の行動は発言よりも慎重でなければならない。現在の社会制度に対する過度の敵意もないし、対外関係上考慮を要す点も多い。このためつきあい、道理を説くことのできる保守勢力・個人は少なくない。

 もちろん行動上距離を置いているからといって、思想的に共鳴していないわけではない。今なお自民党の多くの議員と民主党の一部議員は右翼組織とのつながりを維持し、さらにはその揺るぎない力ともなり、時折ポピュリズム発言をしている。長期的に見て保守勢力の言動は右翼組織のより過激な行動を後押しし、放任し、右翼組織の活動も保守勢力の政治資本を増やす可能性がある。

 ■右翼の攻撃対象に最もされやすいのは中国

 右翼(保守を含む)の活動は活発で、日本国内では左翼政党や労働組合(特に教職員組合)に対する言葉の攻撃が絶えず、長崎市長が射殺される事件まで起きている。対外的には日本と領土紛争や「歴史問題」を抱える国が主要な標的とされる。中でも中国は大国化している上、日本の相対的衰退もあり、日本の保守勢力と右翼の攻撃対象に最もされやすい。行動右翼は中国を直接威嚇する最大の組織だろう。彼らは在日本中国公館をしばしば包囲し、騒ぎを起こしている。大阪総領事館に車で突入したり、中国公館に発煙筒を投入したり、弾丸を郵送して脅迫したこともある。もちろん、日本国民の圧倒的多数はこうした行為に賛同していない。

 今年中日は国交正常化40周年を迎える。両国政府が記念行事に忙しく、調和の雰囲気を壊したくない時こそ、右翼が自らの存在を誇示すべきと考える時なのかもしれない。