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海洋放射能汚染の損失を確定する計算手段が欠乏
2011年 4月 14日11:58 / 提供:21世紀経済報道
原発の放射能漏れに抗議する民衆

 福島原発の放射能漏れの前、海洋放射能汚染は原子力潜水艦の衝突、沈没、後始末であった。逆に原発が引き起こす海洋汚染の量は相対的に軽く、多くの注目を浴びなかった。福島原発の厳しい放射能汚染(余震は持続的な不穏をもたらす)の後、新しい命題が提出された。過去の核兵器がもたらした海洋汚染は、主に人口密集地ではない海洋であったが、原発は人口密集地近くにあって、日本の国民だけでなく、同時に隣国にも影響をあたえる。  

 過去の海洋放射汚染の研究プロジェクトにおいて、主に考慮されたのは、長距離(例えば北極)あるいは拡散の高い密封性「例えば子力潜水艦」の状況、このような国を超える住民地区の間の海洋汚染の見積もりは多くない。   

 また、海洋放射汚染は複雑ため、現在放射汚染の損失を測量できる結論もなかった。汚染の損失を測量する方法がないから賠償の問題も言えず、外部的な国際交渉問題にもならない。例えば国際原子力機関は、国際北極海洋放射汚染評価について会議を開いたことがあったが、最後の結論は曖昧で、いい加減に終わった。海水が放射能に汚染された後、無数の変数の影響を受け、例えば深層と浅層の交換の強さ「水の体積、水の流速とその他の水力学の特徴」、もしかなり強力ならば、放射性物質は海水の浅層で希釈され、魚類への影響は有限で、逆に影響は強い。また、海岸線の地質の構造、潮流、風、温度は「汚染ルート」を変え、簡単に言うと、被害国は賠償請求を望もうとしても、根拠も限りがある。    

 海洋放射能汚染の「海洋の食物連鎖」への影響はさらに捕捉しにくい。普通、陸地の食物連鎖は相対的に簡単で、2、3の独立した段階で、コントロールと予測ができる。水の環境では、放射能汚染の複雑な食物網と捕食層が人類の生活にどう影響するかを調べることは、ほぼ不可能に近いことである。「生物拡大」の特性もあり、つまり放射性物質がある種の生物に蓄積し、食物連鎖が激しい変化をさせ、「生物収斂の効果」もあり、放射性物質は大量の生物に吸収されて、それによって高速で「解消」していく。  

 しかし、最も不思議なことは、なんと、「放射能汚染後の生態繁栄」という光景である。例えば、チェルノブイリ原発事故が発生した後の今日、現地の野生動物は非常に盛んである。その原因は、人間が動植物の放射能に対する抵抗力を過小評価し、逆に原子力の危機が人間を大規模に転居させ、生態系が「無人化」の後で逆に生命力を取り戻すことができた。 

 このようにも考えられる。もし、福島原子力発電所の危機が海洋汚染をもたらし、海がその楽観的な「静物収斂」の状態になり、同時に「無人化」が再び起き―――日本の乱獲漁による海洋産業が完全に「打ち切られ」、もしかすると、同じく新たな不思議な「生態繁栄」が現れるかもしれない。

(翻訳キョウ U 写真:東方ネット)

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